【理論と実践】中小企業の厳しい現実〜2025年版白書が示す5つの危機信号〜
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令和8年2月24日 医療・介護経営の理論と実践 2843号
■中小企業の厳しい現実〜2025年版白書が示す5つの危機信号〜
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おはようございます。中神です。
■はじめに
先日、中小企業診断士の理論政策更新研修を受講しました。
2025年版の中小企業白書・小規模企業白書を中心に、
最新の政策動向や事業承継支援について学ぶ機会でした。
今回から6回にわたり、研修で学んだ重要ポイントをシェアしてみます。
初回は、中小企業が直面している5つの危機についてお伝えします。
■ 危機1:景気は回復していない
景況判断DI(ディフュージョン・インデックス)は長期にわたり
マイナスが続いています。
コロナ禍から立ち直ったように見えても、実態は横ばい、
むしろ足踏み状態です。
■ 危機2:深刻化する人手不足
喫緊の課題は人手不足です。
特に深刻なのが現業職―販売、サービス、建設の現場で働く人々です。
管理職は比較的充足していても、現場で動く人が圧倒的に足りない。
この構造が中小企業の成長を確実に阻んでいます。
■危機3:賃上げ余力の喪失
高水準の賃上げは実現しました。
2024年春闘で約5%、2025年は6%超という数字です。
しかし問題は「大企業との格差拡大」です。
・労働分配率(付加価値に占める人件費の割合)
大企業:48.2%
中小企業:約80%
・営業利益率
大企業:34.3%
中小企業:8.3%
つまり、大企業はまだ賃上げの余力がありますが、
中小企業は限界に達しています。
「業績改善なき賃上げ」を強いられ、経営を圧迫しています。
■危機4:横ばいが続く労働生産性
大企業の労働生産性は上昇傾向ですが、
中小企業は30年以上ほぼ横ばい。バブル期から変わっていません。
特に宿泊・飲食業の落ち込みが顕著です。
コスト上昇が続く今こそ設備投資による業務効率化が必要なのに、
中小企業の設備投資は横ばいのまま。
一方で貯蓄額は増えているというデータもあります。
「お金はあるはずなのに投資していない」―これが国の見方です。
■危機5:金利上昇と円安のダブルパンチ
約30年ぶりの「金利のある世界」が到来しました。
借入依存度が高い中小企業にとって、金利上昇は利益を直撃します。
有利子資産を持つ企業は少なく、金利上昇の恩恵はほとんど受けられません。
さらに円安・輸入物価高が追い打ちをかけます。
輸入に依存する企業ほど負担は大きく、経営を圧迫し続けています。
■データが示す深刻な実態
倒産件数の増加:人件費・コスト高を理由とする倒産が増加
休廃業の実態:黒字でも廃業する企業が過半数(準備不足が原因)
デジタル化の遅れ:段階1(紙・口頭中心)の企業が12%残存
■医療機関への示唆
研修を受けて痛感したのは、これらの課題は医療機関にも
当てはまるということです。
特に小規模病院・クリニックでは、
看護師・医療技術者の人手不足
診療報酬改定による収益圧迫(価格転嫁ができない)
設備投資の必要性と資金繰りのジレンマ
事業承継(院長交代)の準備不足
これらは製造業やサービス業だけの問題ではない、
ということを感じる内容でした。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/ (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/ (紹介)
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◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。


