【理論と実践】事業承継の現状〜70歳までの交代が鍵となる理由〜
~医療・介護に関わる職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
ご友人等へのメルマガ紹介はこちらから。
https://www.mag2.com/m/0001682907
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
令和8年2月27日 医療・介護経営の理論と実践 2846号
■事業承継の現状〜70歳までの交代が鍵となる理由〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おはようございます。中神です。
■経営者年齢のデータが示す衝撃の事実
前回まで、中小企業の現状と補助金活用について見てきました。
今回は「事業承継」をテーマにお伝えします。
研修で最も衝撃的だったのは、経営者年齢分布の推移データです。
・重要な発見(1):45歳以下の経営者は減り続けている
若い経営者の絶対数・比率ともに減少傾向。
新陳代謝が進んでいません。
・重要な発見(2):65歳を過ぎると経営者数が急減する
2000年以降、この傾向は一貫して続いています。
理由は明確で、健康の壁ですね。
健康寿命という現実があります。
健康寿命の定義は『一人で外出できること』であり、
男性は72歳、女性は75歳までに、半数以上ができなくなる、
という内容が印象的でした。
脳、心臓、血管系の疾患。
65歳を過ぎると、それまで病気一つしなかった経営者が突然大病を患い、
経営者でいられなくなるケースが急増します。
私たちは「外出している高齢者」しか目にしないため、
「みんな元気」と誤解しがちです。
しかし実態は、多くの方が外出できなくなっているのです。
■なぜ70歳まで交代なのか
理想:65歳までに交代完了
現実的目標:70歳までに交代完了
65歳では「まだまだ現役でいける」と本気で考えられないため、
現実的には70歳が最終の目処になるでしょう。
さらに重要なデータがあります。
「30代・40代で交代した経営者は業績を伸ばす。
50代で交代すると伸ばさないケースが多い。
経験よりも重要なのは、
「自分の責任でチャレンジ → 失敗 → 再チャレンジ」のサイクル。
若いうちに失敗から学ぶ経験が、経営者としての成長を促せます。
■黒字でも廃業する理由
休廃業・解散企業の過半数が黒字企業。
これは衝撃的な事実です。
赤字だから継がれないのではありません。
準備をしないまま大病を患い、廃業せざるを得ない―これが実態です。
・連鎖倒産の発生
・雇用の喪失
・顧客の不便(遠方の店舗利用を余儀なくされる)
社会的影響は大きいのに、自覚している経営者は少ない、と言われます。
■事業承継の3つのパターン
最近のデータでは、ほぼ3分の1ずつに分かれています。
・親族内承継(約1/3)
・従業員承継(約1/3)← 最近は親族内を上回る
・M&A(社外への引継ぎ)(約1/3)
どのパターンでも診断士の支援機会は豊富です。
■事業承継の本質
研修で強調されたのは、
「事業承継 = 節税策ではなく、経営リスクマネジメント(BCP)」です。
対処すべき3つのリスクとして、
・経営者の健康リスク
・現経営者・後継候補者の年齢が高くなりすぎるリスク
・事業用資産とプライベート資産が曖昧なリスク
があげられます。
■事業承継の2つの目的
・事業の継続
・現経営者の引退後の人生を生き生きと過ごす
全国共通の課題として、経営者の平均年齢は62.5歳であり、
全都道府県のばらつきは±1歳以内です。
東京でも鳥取でも北海道でも沖縄でも、状況はほぼ同じです。
事業承継の準備が必要な企業は、全国どこでも過半数に達している、と言えます。
■医療機関への示唆
医療機関、特にクリニックや小規模病院では、
・院長の高齢化
・後継者(子息・娘婿等)の準備不足
・事業用資産(医療機器、不動産)の整理
・承継後の前院長の役割
これらは製造業やサービス業と共通する課題です。
診断士として、医療機関の事業承継支援は大きな可能性を秘めています。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/ (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/ (紹介)
◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/
◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A
この記事を書いたのは、こんな人。
ーーーーーーーーーーーーーーー
中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

