【理論と実践】地域包括ケア病棟の在宅復帰率と短期滞在手術

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令和6年7月14日 医療・介護経営の理論と実践 2254号

■地域包括ケア病棟の在宅復帰率と短期滞在手術

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走された医療機関が多いことでしょう。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じています。
令和8年の改定に向けて、引き続き、
森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要がありますね。

【本日のテーマ】

本日のテーマは、「地域包括ケア病棟の在宅復帰率と短期滞在手術」です。

令和6年度の診療報酬改定にて、
短期滞在手術を実施した入院患者について、地域包括ケア病棟の在宅復帰率の算出対象から、
外れることになりました。

・短期滞在手術等基本料を算定する患者、
・基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者及び
・基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者は対象から除外する。

上記の項目を実施した患者は除外しますので、それを踏まえて、計算する必要があります。
詳細は、以下の通りですが、正確に計算できる仕組みを作る必要がありますね。

【在宅復帰率に関わる内容の概要】

地域包括ケア病棟から退院した患者数に占める在宅等に退院するものの割合は、
次の「ア」に掲げる数を「イ」に掲げる数で除して算出する。

ア)直近6か月間において、当該病棟から退院又は転棟した患者数
(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び
死亡退院した患者を除く。)のうち、在宅等に退院するものの数

この場合において、在宅等に退院するものの数は、退院患者の数から、
次に掲げる数(1から4)を合計した数を控除した数をいう。

1)他の保険医療機関(有床診療所入院基本料(別添2の第3の5の(1)のイの(イ)に
該当するものに限る。)を算定する病床を除く。)に転院した患者の数

2)介護老人保健施設(介護保健施設サービス費(Ⅰ)の介護保健施設サービス費(ⅱ)
若しくは介護保健施設サービス費(ⅳ)又はユニット型介護保健施設サービス費(Ⅰ)の
ユニット型介護保健施設サービス費(ⅱ)若しくは
経過的ユニット型介護保健施設サービス費(ⅱ)の届出を行っているものに限る。)
に入所した患者の数の5割の数

3)介護老人保健施設(同上)に入所した患者の数

4)同一の保険医療機関の当該入院料にかかる病棟以外の病棟への転棟患者の数

イ)直近6か月間に退院又は転棟した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が
通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)

ただし、短期滞在手術等基本料を算定する患者、
基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者及び
基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者は対象から除外する。

【別表】

二十三)診療報酬の算定方法第一号ただし書に規定する別に厚生労働大臣が
指定する病院の病棟を有する病院において、別表第十一のに規定する手術、
検査又は放射線治療を行った患者(入院した日から起算して五日までに退院した患者に限る。)

二十四)別表第十一の一に規定する手術又は検査を行った患者

十一)短期滞在手術等基本料に係る手術等

(一)短期滞在手術等基本料1が算定できる手術又は検査

D287 内分泌負荷試験 1 下垂体前葉負荷試験 イ 成長ホルモン(GH)(一連として)
D291―2 小児食物アレルギー負荷検査
K005 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 3 長径四センチメートル以上(六歳未満に限る。)
K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)
3 長径六センチメートル以上十二センチメートル未満(六歳未満に限る。)
K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 4 長径十二センチメートル以上(六歳未満に限る。)
K008 腋臭症手術
K030 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 2 手、足(手に限る。)
K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 4 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)
その他(手に限る。)
K068 半月板切除術
K068―2 関節鏡下半月板切除術
K070 ガングリオン摘出術 1 手、足、指(手、足)(手に限る。)
K093 手根管開放手術
K093―2 関節鏡下手根管開放手術
K202 涙管チューブ挿入術 1 涙道内視鏡を用いるもの
K217 眼瞼内反症手術 2 皮膚切開法
K219 眼瞼下垂症手術 1 眼瞼挙筋前転法
K219 眼瞼下垂症手術 3 その他のもの
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの)
K254 治療的角膜切除術 1 エキシマレーザーによるもの
(角膜ジストロフィー又は帯状角膜変性に係るものに限る。)
K268 緑内障手術 6 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術
K282 水晶体再建術
K474 乳腺腫瘍摘出術
K508 気管支狭窄拡張術(気管支鏡によるもの)
K510 気管支腫瘍摘出術(気管支鏡又は気管支ファイバースコープによるもの)
K616―4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1 初回
K616―4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 2 1の実施後3月以内に実施する場合
K617 下肢静脈瘤手術 1 抜去切除術
K617 下肢静脈瘤手術 2 硬化療法(一連として)
K617 下肢静脈瘤手術 3 高位結紮術
K617―4 下肢静脈瘤血管内焼灼術
K617―6 下肢静脈瘤血管内塞栓術
K653 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 1 早期悪性腫瘍粘膜切除術
K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 1 長径二センチメートル未満
K743 痔核手術(脱肛を含む。) 2 硬化療法(四段階注射法によるもの)
K747 肛門良性腫瘍、肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術
(肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術に限る。)
K823―6 尿失禁手術(ボツリヌス毒素によるもの)
K834― 3 顕微鏡下精索静脈瘤手術
K841― 2 経尿道的レーザー前立腺・蒸散術

(三)短期滞在手術等基本料3を算定する手術、検査又は放射線治療

D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 イ 安全精度管理下で行うもの
D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 ロ その他のもの
D237―2 反復睡眠潜時試験(MSLT)
D287 内分泌負荷試験 1 下垂体前葉負荷試験 イ 成長ホルモン(GH)(一連として)
D291―2 小児食物アレルギー負荷検査
D413 前立腺針生検法 2 その他のもの
K007―2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術
K030 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 2 手、足(手に限る。)
K046 骨折観血的手術 2 前腕、下腿、手舟状骨(手舟状骨に限る。)
K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 3 前腕、下腿(前腕に限る。)
K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 4 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)
その他(鎖骨に限る。)
K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 4 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)
その他(手に限る。)
K070 ガングリオン摘出術 1 手、足、指(手、足)(手に限る。)
K093―2 関節鏡下手根管開放手術
K196―2 胸腔鏡下交感神経節切除術(両側)
K202 涙管チューブ挿入術 1 涙道内視鏡を用いるもの
K217 眼瞼内反症手術 2 皮膚切開法
K219 眼瞼下垂症手術 1 眼瞼(けん)挙筋前転法
K219 眼瞼下垂症手術 3 その他のもの
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの)
K242 斜視手術 2 後転法
K242 斜視手術 3 前転法及び後転法の併施
K254 治療的角膜切除術 1 エキシマレーザーによるもの
(角膜ジストロフィー又は帯状角膜変性に係るものに限る。)
K268 緑内障手術 6 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術
K282 水晶体再建術 1 眼内レンズを挿入する場合 ロ その他のもの
K282 水晶体再建術 2 眼内レンズを挿入しない場合
K318 鼓膜形成手術
K333 鼻骨骨折整復固定術
K389 喉頭・声帯ポリープ切除術 2 直達喉頭鏡又はファイバースコープによるもの
K474 乳腺腫瘍摘出術 1 長径5センチメートル未満
K474 乳腺腫瘍摘出術 2 長径5センチメートル以上
K616―4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1 初回
K616―4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 2 1の実施後3月以内に実施する場合
K617 下肢静脈瘤手術 1 抜去切除術
K617 下肢静脈瘤手術 2 硬化療法(一連として)
K617 下肢静脈瘤手術 3 高位結紮術
K617―2 大伏在静脈抜去術
K617―4 下肢静脈瘤血管内焼灼術
K617―6 下肢静脈瘤血管内塞栓術
K633 ヘルニア手術 5 鼠径ヘルニア
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)
K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 1 長径二センチメートル未満
K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 2 長径二センチメートル以上
K743 痔核手術(脱肛を含む。) 2 硬化療法(四段階注射法によるもの)
K747 肛門良性腫瘍、肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術(肛門ポリープ切除術に限る。)
K747 肛門良性腫瘍、肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術
(肛門尖圭コンジローム切除術に限る。)
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)
K823―6 尿失禁手術(ボツリヌス毒素によるもの)
K834―3 顕微鏡下精索静脈瘤手術
K867 子宮頸部(腟部)切除術
K872―3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 1 電解質溶液利用のもの
K872―3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 3 その他のもの
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 1 電解質溶液利用のもの
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 2 その他のもの
K890―3 腹腔鏡下卵管形成術
M001― 2 ガンマナイフによる定位放射線治療

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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