【理論と実践】変化への対応と持続可能な経営体制
~医療・介護に関わる職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
ご友人等へのメルマガ紹介はこちらから。
https://www.mag2.com/m/0001682907
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
令和8年2月14日 医療・介護経営の理論と実践 2833号
■変化への対応と持続可能な経営体制
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おはようございます。中神です。
3回シリーズの最終回となる今回は、
診療報酬改定への対応、各施設の収支管理、医師への配慮、
そして銀行との関係構築など、より実践的な経営課題についてお話しします。
「数字を見る」ことから一歩進んで、「数字をどう活用するか」。
ここまで来れば、医療経営者といえます。
■診療報酬改定の影響をどう見極めるか
診療報酬改定は、医療機関の経営に大きな影響を与えます。
「収益が減少した!」
そんなとき、慌てて人件費を削減したり、
設備投資を控えたりしていませんか?
そんな時は、まず、収益減少の「本当の原因」を見極める必要があります。
原因の一例として、
1. 診療報酬の切り下げ
2. 患者数の減少(またはドクターの診療時間減少)
この2つでは、取るべき対応が全く異なります。
・診療報酬改定が原因の場合
診療報酬が切り下げられても、他の項目で増額されることもあり、
トータルではマイナスにならない可能性があります。
この場合、活動量(患者数や診療時間)は変わらないため、
リソース(スタッフ数や経費)も基本的には変える必要がありません。
むしろ、「どの項目が上がって、どの項目が下がったのか」を分析し、
診療内容を最適化することで、収益を維持・向上できる可能性があります。
・患者数減少が原因の場合
一方、患者数減少やドクターの時間減少が原因であれば、
それに応じてスタッフの時間や経費を削減する検討が必要になります。
ただし、これも慎重にする必要があります。
一時的な減少なのか、構造的な減少なのかを見極めてから判断すべきです。
■複数施設を運営する場合の収支管理
病院本体に加えて、クリニックや介護施設など、
複数の施設を運営している場合、収支管理の考え方が重要になります。
・基本方針:各診療科、各施設とも黒字化を目指す
理想は、各診療科、各施設がそれぞれ黒字になることです。
でも、現実はそう簡単ではありません。
・構造上赤字になる診療科、施設がある場合は?
例えば、地域医療のために必要だけど、採算が取れない施設もあるでしょう。
そんな場合は、「どこでカバーするか」「どう調整するか」という議論を、
数字を共通認識として行う必要があります。
重要なのは、スタッフに過度な負担がかかり、
継続困難な状態になってから対応するのではなく、
数字を見ながら早めに調整していくことです。
・みんなが同じ数字を見て議論する
ある施設が赤字になったとき、
「頑張りが足りないからだ!」(感情論)
ではなく、
「患者数が○○人で、単価が△△円だから、収支がこうなっている。
では、どうするか?」(事実論)
という議論ができる体制を作ることが大切です。
■ 銀行との関係構築の重要性
最後に、銀行との関係について。
「うちは大手の銀行がバックについてるから大丈夫」
そう思っていませんか?
確かに、金融機関との関係は重要な経営資源です。
でも、それだけでは不十分です。
・普段からの対話が不可欠
銀行が何を考えているか、借入可能枠はどれくらいか、
金利や返済期間の条件はどうなっているか。
これらを把握するには、普段からの対話が不可欠です。
銀行によって、また担当者や支店長によって、融資姿勢は変わります。
「どんどん貸してくれる」銀行もあれば、
「これ以上は難しい」と言う銀行もあるでしょう。
・何かを始めるときに初めて相談するのでは遅い
新しい事業を始めよう、設備投資をしようという時に
初めて銀行に相談するのではなく、普段から対話を重ねておくことで、
いざという時にスムーズに対応できます。
「○○を考えているんですが、どうでしょうか?」
こうした相談を日頃からしておくことで、
銀行側もあなたの経営方針を理解し、
適切なアドバイスをしてくれるようになります。
■おわりに:知識を「活用」へ
3回シリーズ、お付き合いいただきありがとうございました。
財務諸表の読み方、月次決算の活用、具体的な経営課題への対応…
たくさんのことをお伝えしてきました。
でも、最も重要なのは、これらを「知識」として理解するだけでなく、
実際の経営判断に「活用」することです。
・月次でPLを確認する
・BSと合わせて総合的に判断する
・数字を共通言語として、関係者全員で議論する
こうした積み重ねが、持続可能な医療経営につながります。
あなたの病院・クリニックが、地域に必要とされ、
スタッフが誇りを持って働き、患者さんに安心を提供し続けられるようにする。
そのために、一緒に「数字と仲良く」なっていきましょう!
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/ (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/ (紹介)
◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/
◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A
この記事を書いたのは、こんな人。
ーーーーーーーーーーーーーーー
中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

