【理論と実践】後発医薬品の現実

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令和7年7月14日 医療・介護経営の理論と実践 2618号

■後発医薬品の現実

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おはようございます。中神です。

令和6年度改定で目指した理想と現実のギャップが浮き彫りになったのが今回の改定でした。
後発医薬品の使用促進は長年の政策目標でしたが、
令和6年度診療報酬改定は「供給不安定」という現実問題と正面から向き合う内容となりました。

■深刻化する供給不足問題

なぜ後発医薬品が不足するのでしょうか。
製造コスト上昇、品質管理強化、原材料調達困難などが重なり、
採算性の悪化から製造中止が相次いでいます。
使用量の少ない薬剤や、製造すればするほど赤字になるような薬剤では、
製造対象から外さざるをえなくなり、
処方変更を余儀なくされることもあります。

■長期収載品の選定療養

2024年10月から導入された「長期収載品の選定療養」は、
後発医薬品(ジェネリック医薬品)が存在する先発医薬品(長期収載品)を患者が
希望して選択した場合、薬価差額の4分の1を自己負担する新しい制度です。

例えば、価格差が1000円なら患者負担は250円増になります。
慢性疾患の患者さんには、大きな負担になります。

■医療機関が直面する説明責任

国の制度上、従わなければなりませんが、
患者さんにとっては、制度変更を理解することは困難です。

その中、

・先発品の場合、なぜ負担が増えるのか
・(仕入れの都合など)後発品に変更できない理由の明確化
・医療上の必要性の判断基準(先発品、後発品の差異)

などを説明していくことは労力でもあります。

■診療報酬上の変化と対応策

後発医薬品使用体制加算がアップし、
医療機関の取り組み強化への期待が込められています。
しかし、単なる使用率向上ではなく、
「安定供給体制の構築」が求められています。。

後発医薬品政策は「量から質へ」の転換期を迎えています。
単純な使用率向上から、安定供給と患者の治療継続性を両立する新たなステージであり、
この論点に限らず、医療機関には、変化する環境下での柔軟な対応力が求められますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

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