【理論と実践】日医の緊急調査で判明した「地域医療崩壊」の危機
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令和7年10月26日 医療・介護経営の理論と実践 2722号
■日医の緊急調査で判明した「地域医療崩壊」の危機
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おはようございます。中神です。
先日、日本医師会(日医)が実施した病院の緊急経営調査の結果が公表されましたね。
その数字から、多くの病院が、もはや「立ちゆかない」レベルの窮状に直面している、と実感します。
■調査結果の概要
日医は今年6月から7月にかけて、病院管理者4826人を対象に、
2023年度と2024年度の収支状況を尋ねる緊急調査を実施しました。
(有効回答率は25.1%)。
6割超の病院が赤字、公立病院では9割超が赤字です。
調査によると、2024年度の経常収支が赤字だった病院の割合は、
全体で62.2%に達しました。
これは前年度(2023年度の赤字割合は48.8%)と比べても、
13.4ポイントも拡大しています。
この1年で経営環境が急速に悪化したことがわかりますね。
公的病院は、役割を考えると、赤字になりやすい領域ですが、
医療法人でさえ、赤字病院の割合が56.4%、と大幅に増加しています。
■コストが収益の伸びを上回る構造的な問題
なぜ、これほどまでに病院経営は悪化しているのでしょうか。
悪化の要因として、新型コロナウイルス関連の補助金がなくったことがあげられます。
補助金がなくなった一方で、コスト増は止まっていません。
コスト増を、補助金でなんとかカバーしていた、ということです。
コロナ自体は落ち着いたものの、
日本全体のコスト増に対し、収益が追いていない、ということです。
費用の内訳では、給与費や材料費の伸びが大きく、
物価や人件費の高騰が経営を直撃していることがわかります。
医療人材を確保するために、人材紹介会社に支払う手数料も高騰しています。
これら厳しい経営実態は、医療機関だけでなく、
患者さんの受診にも影響を及ぼしかねません。
持続可能な医療の提供のために、何ができるか、考え、
実行に移していく時代になってきましたね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

