【理論と実践】経済財政運営の基本方針2025の影響(地域医療・創薬・医療機器)
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令和7年6月11日 医療・介護経営の理論と実践 2585号
■経済財政運営の基本方針2025の影響(地域医療・創薬・医療機器)
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おはようございます。中神です。
昨日に続き、2025年6月に閣議決定された
「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太の方針2025)について確認してみましょう。
■地域医療提供体制の再構築
・2040年を見据えた中長期戦略
2040年頃(団塊の世代ジュニアが65歳になる頃)を見据え、
医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、
質が高く、効率的な医療提供体制を全国で確保する方針が示されています。
つまり、質だけでも、効率だけでも、ダメで、両方を追求しかなければなりません。
・地域医療構想の新たな展開
地域医療構想については、2025年度中に国がガイドラインを策定し、
各都道府県での2026年度以降の新たな地域医療構想の策定を支援するとされており、
病院の機能分化・連携がより具体的に進められます。
ある程度、2025年までに進みましたが、さらに加速する、ということですね。
・病院経営への示唆
機能分化への対応:
自院の強みを知ることはもちろん、その強みが地域で活きるようにするに機能を特化させること、
不足する部分においては、他院との連携体制構築が重要です。
医師確保の戦略:
医師の地域間・診療科間の偏在への対応については、
経済的インセンティブや規制的な手法といった
地域の医療機関の支え合いの仕組みを含めた総合的な対策が検討されており、
人材確保戦略の見直しが必要です。
在宅医療の強化:
高齢化の進展、独居の増加など、在宅医療ニーズが拡大するため、
訪問診療体制の充実が事業機会となります。
■創薬・医療機器分野での新たな機会
・国内医療産業の強化
医薬品業界の構造改革を進めるとともに、
創薬エコシステムの発展や創薬力の基盤強化に向け、
政府全体として一体的に政策を実現する方針により、
病院と製薬・医療機器企業との連携機会が拡大する可能性があります。
このあたりは、私自身、専門外ですが、
このような情報をキャッチアップしておく必要はありますね。
・病院経営への機会創出(臨床研究・治験への参画)
国際水準の治験・臨床試験実施体制を整備する方針により、
治験収入の機会が拡大する可能性があります。
医療機器開発への協力として、産学官連携による医療機器開発プロジェクトへの
参画機会が増加する見込み、と言われます。
■前回の内容も踏まえて、今後の対応(取り組むべき重点課題)
骨太の方針2025は、医療・介護分野にとって明るい展望を示している一方で、
DXや地域医療構想への対応など、病院経営者にとって、待ったなし!の重要な課題が見えますね。
診療報酬改定では、処遇改善と経営安定を重視した改定内容を見極め、
適切な対応策を準備する必要があります。
DX投資の見直しとして、
標準型電子カルテ導入支援の具体化に関する情報収集、
その状況を踏まえた投資計画の策定も求められます。
地域医療提供体制などを含め、
今後も政府の動向を注視しながら、変化に対応できる柔軟な経営体制の構築が重要です。
特に、2025年から2026年にかけて予定されている診療報酬改定の方向性の検討は、
病院経営に直接的な影響を与えるため、継続的な情報収集と準備が不可欠ですね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。