【1406】平均在院日数の3つ視点(捉え方)から言えること
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1406日目。医療経営の森より、中神がお届けします(^_^)
今日のテーマは「平均在院日数の3つの視点(捉え方)から何を言えるか」。
結論は、「在院日数の短縮化の対応と地域連携の必要性を改めて感じます」。
月次決算をみて、まず最初に見るものは何でしょうか?
まずは、利益です。利益は、顧客への価値提供の対価でもあり、社会的責任とも言われます。
利益がなければ、その組織は永続できません。
ゴーイングコンサーンとも言われますように、企業は継続するのが前提です。
医療機関でも、地域に医療・価値を提供し続けるために利益が必要です。
その利益は、収益から費用を引いたものです。
よって、収益と費用のバランスを確認していく必要があります。
■平均在院日数とは?
収益は単価と患者数の掛け算です。
そして、入院患者数は、「新入院患者数」と「平均在院日数」の掛け算です。
平均在院日数は、その名の通り、在院患者数を新入院患者数(詳しい計算方法は、割愛します。※)で割ります。
※平均在院日数の出し方
https://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/14kaitei/yosiki/b04.pdf
よって、患者数の増減は、
・新入院の増減が要因か
・在院日数が要因か
の2軸で見ることができます。
その在院日数の捉え方として、3つの視点があると考えます。
・病棟運営における平均在院日数
・施設基準における平均在院日数
・DPCにおける平均在院日数
■病棟運営における平均在院日数
在院日数の短縮、という言葉は多くの人が知っている言葉です。
なぜ短縮が求められているのか?
社会的な側面から言えば、入院医療費は、医療費を増大させる大きな要因です。
国の税収が厳しい中、できるだけ社会保障費を削減したい、という国の動きもあって、短縮化が求められています。
病院の立場でいえば、長い期間、入院されている方があると、
・新しい方を受け入れない
・入院の長期化は、患者の生活機能レベルが下がる、
・診療報酬上の点数が下がる、
などの問題があります。
よって、病棟をうまく運営するために、在院日数短縮の視点は必須です。
■施設基準における平均在院日数
次に、施設基準の視点です。
急性期一般入院料1の平均在院日数は、18日以内、となっています。
施設基準ですから、この基準以内におさまるように病棟運営を行わなければいけません。
自院の医療機能に応じた平均在院日数が定められています。
確実にコントロールが必要な最低ラインの基準です。
■DPCにおける平均在院日数
DPCでは、各疾患ごとに、適切な在院日数というものを決められています。
入院期間には、「1」、「2」、「3」の3つがあります。
1であれば、全国平均より短く、点数も高い。
2であれば、全国平均並み。
3であれば、全国平均より長く、点数が下がる。
全国から集まってくる症例ごとの治療状況、在院日数の状況から平均的な在院日数が算出されます。
他院と比較して当院の在院日数が長いのか、短いのか、客観的に判断することができます。
もちろん地域の医療・介護資源、患者自体の社会的要因も関係します。
疾患だけで判断しづらい点も考慮が必要ですし、1つの医療機関だけでは解決できないことも増えています。
地域連携・機能分担が求められている背景が、ここにあります。
■上記、3つの視点より言えること
・在院日数短縮は国が推し進めること。
・とはいえ、患者さんの治療の状況に応じて考えることも必要。疾患のみで判断できない。
・地域と連携し、患者さんの最適解を見つけ出すこと。
と思います。
本日は以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)