【理論と実践】リターンとリスク(期待収益率・分散・相関係数)
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令和5年9月28日 病院経営の理論と実践 1964号
■リターンとリスク(期待収益率・分散・相関係数)
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。
実際に問題を解いています。
今回は、「期待値と事業採択(リターンとリスク)」について。
状況(好景気・標準・不景気)に応じて、期待する売上や利益が変わります。
その発生確率を踏まえて、期待値を出していきます。
将来の事業設計には必須の思考ですね。
さて、問題を解いてみます。
「30日完成!事例Ⅳ合格点突破 計算問題集」を参考にしております。
リターンとリスクと相関指数の3つを確認します。
【リターン】
A事業とB事業、2つの事業があるとします。
その事業が以下の条件を想定した場合、どちらが良いか判断を下すための材料です。
条件は以下の通りです。
・好景気30%
・標準50%
・不景気20%
上記を踏まえて、以下の状況が考えられます。
A事業は、
5%の利益率(好景気30%)
3%の利益率(標準の景気50%)
-3%の利益率(不景気20%)
リターンと言われて、答えるべきは何でしょうか?
それぞれ掛け算(1.5% 1.5% -0.6%)して、足せばよいです。
2.4(期待収益率)です。
B事業は、
3%の利益率(好景気30%)
2%の利益率(標準の景気50%)
1%の利益率(不景気20%)
それぞれ掛け算(0.9% 1% 0.2%)して、足せばよいです。
2.1(期待収益率)です。
と、こんな感じで問われて、計算していきます。
A事業のほうがリターンが高いので、A事業を採択しましょう、という話です。
【リスク】
しかし!!!!
それだけではありません。
景気変動のリスクも踏まえましょう、というのが「分散」または「標準偏差」ですね。
分散でリスクは判断できるので、標準偏差まで(ルート「√」まで)出さなくてももOKです。
A事業は、
5 – 2.4 = 2.6(偏差)の2乗×(好景気30%)= 2.028
3 – 2.4 = 0.6(偏差)の2乗×(標準の景気50%)= 0.18
-3 – 2.4 = -5.4(偏差)の2乗×(不景気20%)= 5.832
= 8.04(分散)
B事業は、
3 – 2.1 = 0.9(偏差)の2乗×(好景気30%)= 0.243
2 – 2.1 = -0.1(偏差)の2乗×(標準の景気50%)= 0.005
1 – 2.1 = -1.1(偏差)の2乗×(不景気20%)= 0.242
= 0.49(分散)
A事業は、期待収益率がやや高いですが、
B事業と比べると、分散が高い、つまりリスクが高いと言えます。
それを踏まえて、どちらを選ぶか、ですね。
【相関係数】
最後に、相関係数を求めてみましょう。
求め方は、「共分散/(A事業の標準偏差 × B事業の標準偏差)です。
まず、共分散を求めます。
景気ごとのA事業とB事業の偏差を掛けます。そして足します。
2.6 × 0.9 = 2.34 ×(好景気30%)= 0.702
0.6 × -0.1 = -0.06 ×(標準の景気50%)= -0.03
-5.4 × -1.1 = 5.94 ×(不景気20%)=1.188
= 1.86(共分散)です。
次に、「A事業の標準偏差 × B事業の標準偏差」です。
先ほど、算出した分散を使えますね。
A事業の分散( 8.04)に、ルート処理をすると、「2.83・・・」
A事業の分散(0.49)に、ルート処理をすると、「0.7」
これを掛け算すると、「1.98・・・」になります。
共分散「1.86」を
「1.98・・・(A事業の標準偏差 × B事業の標準偏差)」で割ると、
相関係数は「0.937・・・」です。
ほぼ正の相関関係ですね。
【終わりに】
分散を出すには、
「個の事業の偏差を2乗」して、発生確率をかけて足し算します。
共分散を出すには、
「2つの事業の各偏差」を掛けて、発生確率をかけて足し算します。
・リターンは、期待収益率。
・リスクは、分散または標準偏差。
・事業の組み合わせは、相関係数。
で検討する、ということですね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。