【理論と実践】マーケティングにおけるSWOT分析(中小企業診断士2次試験 事例2)
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令和5年10月18日 病院経営の理論と実践 1985号
■マーケティングにおけるSWOT分析(中小企業診断士2次試験 事例2)
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。
実際に問題を解いています。
今回は、令和3年度の事例2の第1問より、
「マーケティングにおけるSWOT分析」です。
1)設問
第1問(配点 20 点)
2021 年(令和 3 年)8 月末時点の B 社の状況を、移動販売の拡大
およびネット販売の立ち上げを目的としてSWOT 分析によって整理せよ。
それぞれ 30 字以内で述べること。
2)公開されている設問の趣旨
第 1 問(配点 20 点)
内外の経営環境を分析する能力を問う問題である。
3)初見の所感
SWOT分析は基本です。
そして、制約条件は「移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げ」です。
強みは、製品の質や技術、評判・評価でしょう。
弱みは、ネットのノウハウ不足。
機会は、ニーズらしい記述を抽出したいものです。
脅威は、コロナ、競合の存在でしょうか。
4)与件文からの候補の抽出
(1)強み
・地元産大豆、水にこだわった豆腐は評判となり、品評会でも度々表彰された。
・農村部の工場に顧客リストの中から買い上げ額上位のお得意さま。
・B 社社長が全国に多数展開される豆腐 EC サイトを調べたところ、
多くのサイ トで豆乳とにがりをセットにした商品が販売されていることを知り
「手作り豆腐セッ ト」を開発し、移動販売を開始した。
顧客が豆乳とにがりを混ぜ、蒸し器で仕上げる 手間のかかる商品であるが、
出来たての豆腐を味わえる。
(2)弱み
・国産大豆を使いながらも、価格を抑え、集客の目玉とする PB であった。
地元産大豆にこだわった祖父と父のポリシーに反する。
・ただし若年層には IM によるテキストでのやり取りの方が好まれ、
自社の受注用サイトを作る計画もあったが、ノウハウもなく、
投資 に見合った利益が見込めないとの判断により、IM で十分という結論に達した。
(3)機会
・室内での食事会を中止した。その際に、豆腐丼を惜しむ声が複数顧客より寄せられた。
・自宅での食事にこだわりを持つ家庭が増え、お得意さま以外の主婦層にも
人気を博している。この商品のヒットもあり、何とかもちこたえてきたものの、
移動販売の売上は 3 割落ち込んだままである。
・自宅を不在にする日にも届けてほしいという高齢層や主婦層の声を踏まえ、
生協を参考に冷蔵ボックスを使った置き配の開始も検討している。
(4)脅威
・新型コロナウイルス感染症のまん延に伴い、以降、試食を自粛した。
また、人的接触を避けるために、駐車場での販売から戸別販売への変更を希望し たり、
戸別訪問を断ったりする顧客が増えてきた。
・収穫祭では収穫体験のみを実施 し、室内での食事会を中止した。
5)考察・解答
(1)考察
強みは、
「製品の質、評判、顧客リスト、手作り豆腐セット」あたりを使います。
弱みは、
主婦層の顧客が少ないことや、ネット関係のノウハウがないあたりでしょうか。
機会は、
「自宅での食事にこだわりを持つ家庭が増え」
「自宅を不在にする日にも届けてほしいという高齢層や主婦層の声」あたりでしょう。
脅威は、
人的接触が避けられる状況、室内での食事会の中止など、でしょうか。
移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げという制約条件から外れている感じはします。
(2)解答
強みは、
「評判の高い地元産大豆、水にこだわった豆腐製品、顧客リストの存在」
弱みは、
「主婦層の顧客が少ないこと、ネット関係のノウハウがないこと」
機会は、
「自宅での食事へのこだわり、自宅不在時の配達ニーズ」
脅威は、
「人的接触が避けられる状況、室内での食事会の中止など」
6)答え合わせ
「第二次試験過去問題集(TAC)さん」を参考にしています。
(1)振り返り
「強み」といえば、製品の質、という視点は重要です。
B社の豆腐は、質も評価も高い点は言及したい点で、概ねOKでした。
漏れていた点は、以下の与件文の内容です。
・PB の失注のタイミングで、X 市の大手米穀店 Y 社からアプローチがあり、
協議の 結果、農村部の工場の余剰設備を Y 社へ売却し、整理人員も Y 社が雇用した。
・近年、グルメ雑誌で Y 社サイトの新米、佃煮が紹 介されたのをきっかけに、
全国の食通を顧客として獲得し、サイトでの売上が拡大し ている。
Y社との関係があること。
これは、制約条件からすると触れておきたい項目でした。
良い「関係性」は強みですね。
「弱み」については、概ねOKでした。
狙いにしようとしている事業の顧客候補を獲得できているかどうか。
もし不十分な場合は、弱みであり、解決すべき課題でもあり明日ね。
「機会」もOKです。
自宅での食にこだわり、というのは、
リモートワークによる要因がありますので、そこは触れても良かったかもしれませんね。
「脅威」は、与件文の以下のネット部分の内容に触れることができていませんでした。
・全国に多数展開される豆腐 EC サイトを調べたところ、
多くのサイ トで豆乳とにがりをセットにした商品が販売されている。
全国の豆腐ECサイトとの競合の可能性は、チェックしておきたい項目でしたね。
(2)解答の修正
強みは、
「地元産大豆や水による評判の高い豆腐製品、Y社との関係性」
弱みは、
「主婦層の顧客が少ない事、ネット関係のノウハウがない事」
機会は、
「リモートワークによる自宅での食事へのこだわりの家庭増加」
脅威は、
「人的接触が避けられる状況や、全国の豆腐ECサイトの競合」
7)終わりに
解答の自己採点の完成度は、7割程度です。
ただ、SWOT分析を間違えると、その後の設問への影響も大きいので、
見誤らないように注意したい部分と改めて思います。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。