【理論と実践】介護産業の見通しと経営戦略(介護福祉経営士テキスト参照)

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令和6年8月15日 医療・介護経営の理論と実践 2286号

■介護産業の見通しと経営戦略(介護福祉経営士テキスト参照)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走された医療機関が多いことでしょう。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じています。
令和8年の改定に向けて、引き続き、森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要がありますね。

【理由・参考書】

医療介護連携が重要視されていますので、介護福祉経営について大枠を学習しています。

介護福祉経営士テキスト基礎編2ー3
「介護福祉産業論」が参考書です。

( テキストは以下からどうぞ。
https://www.jmpshop.jp/products/detail/855
「介護福祉経営士テキスト JMIP」で検索してください。 )

学習目標として、介護福祉経営士2級の受験を考えています。
こういった試験・テキストの良いところは知識や体系を網羅的に学べることです。
私自身の理解や補足確認した内容などが混ざりますので、
詳細や正確な内容を確認したい方は、テキストをご購入ください。

【本日の内容】

今回のテーマは「介護産業の見通しと経営戦略」です。
介護産業の将来展望と、その中で介護事業者が生き残るための経営戦略について考えていきましょう。

1、高齢者というマーケット:超高齢社会の主役

今後、高齢者は、消費者の中心の存在となっていくでしょう。
社会保障給付費の増大と団塊の世代が65歳以上となることで、
退職後20年間に及ぶ長い高齢期を過ごす高齢者が主役となる社会が到来します。

介護サービスのニーズはますます多様化し、
特定のニーズに特化したビジネスモデルへの転換が求められます。

2、介護市場と関連領域の拡大:住宅と介護のボーダレス化

高齢化に伴い、高齢期の住まいの問題も深刻化しています。
高齢者にとって、「どこで介護を受けるか」だけでなく、
「どこでどのように暮らしたいか」という視点も重要でしょう。

多くの人は、住み慣れた自宅での生活を望みますが、
介護の負担や住宅のバリアフリー化など、様々な課題があります。
介護保険制度による居宅サービスの充実にも関わらず、
特別養護老人ホームの入居待機者数は増加傾向にあります。
これは、施設サービスへの根強いニーズを示しています。

しかし、高齢者人口の増加に対して、
財源の約9割を公費と保険料収入に頼る介護保険制度の枠組みでは、
現状のままでは対応困難です。

そこで、住宅産業と介護産業の連携、つまり「ボーダレス化」が注目されています。
「市場重視」や「ストック重視」への移行、
競争を通じて適正な価格で多様なサービスを選択できるようにすることが求められます。

また、介護状態での在宅生活継続を阻害する要因として、
一人暮らしによる日常生活への不安や住宅のバリアフリー化の遅れなどが挙げられます。
緊急通報装置の設置や住宅改修の支援など、ハード・ソフト両面からの対策が重要です。
さらに、特別養護老人ホームの個室化・ユニット型化も進んでいます。

こうした状況を踏まえ、医療・介護・住宅を
一体的に捉えたサービス提供が求められています。
医療と介護の連携、さらには予防・生活支援・住まいの連携を強化し、
地域包括ケアシステムの構築を目指していくことが重要です。

3、介護サービスの「経営」:持続可能な事業運営を目指して

介護サービスは、人件費の割合が高い労働集約型産業です。
介護報酬が引き下げられれば、収益が悪化し、赤字に陥りやすくなります。
質の高いサービスを提供するためには、優秀な人材を確保し、
育成していく必要があり、人的資源管理は重要です。

その中、規模のメリットを活かした経営戦略がますます有効です。
合併や事業譲渡、グループ化など、様々な選択肢があります。
合併とは、複数の法人が一つに統合されることであり、
経営資源の共有や効率化が期待できます。
事業譲渡とは、特定の事業を他の法人に譲り渡すことであり、
事業の選択と集中が可能になります。
グループ化とは、複数の法人が緩やかな連携体制を築くことであり、
経営の独立性を保ちつつ、連携によるメリットを享受できます。
また、事業の転換期には、思い切った事業転換の決断も必要となるでしょう。

介護サービスの経営における社会的使命は、
利用者のQOL向上と、地域社会への貢献です。
経営とは、目的達成のために方針を定め、組織を整え、持続的に事業を行うことです。
組織や事業の目的とミッションを明確にすることから始め、
顧客にとっての価値を創造していくことが重要です。
これは、社会福祉に携わる者のアイデンティティとも言える
「ソーシャルワーク」の理念にも通じるものです。

4、まとめ

介護産業の将来展望や経営課題を理解することは、
患者さんやその家族の生活を支える上で重要です。
介護事業者との連携を強化し、地域包括ケアシステムの一員として、
共に高齢者のQOL向上を目指していきましょう。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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