【理論と実践】ストレスチェック制度の狙いと対象拡大
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令和6年11月16日 医療・介護経営の理論と実践 2379号
■ストレスチェック制度の狙いと対象拡大
中神勇輝（なかがみゆうき）
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おはようございます。中神です。
【制度の狙い】
毎年実施されているストレスチェック。
自分の状態を知るためにも、しっかり入力するようにしていますが、
この制度の目的について、深掘りしてみましょう。
（第６回ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会議事録より）
まず第一に、
労働者一人ひとりが自分のストレス状態に気づくきっかけを作ることです。
日々の業務に追われていると、自分の心身の状態を振り返る機会は少ないです。
ストレスチェックは、自分のストレス状況を客観的に確認できる貴重な機会です。
個人レベルでは、上記の通りですが、
組織として重要なのが、高ストレス者への支援です。
検査で高ストレスと判定された場合、産業医との面接指導を受けることができます。
この面接を通じて、必要な場合は就業上の配慮や専門的な医療機関への紹介など、
適切なサポートにつながる道が開かれる、ということです。
そして、最も大事なことは、
個人のストレス、組織員のストレスの要素である職場環境の改善です。
個々の検査結果を集団として分析することで、
職場全体のストレス要因が見えてきます。
たとえば、特定の部署で働く人々の負担が著しく高いことが判明したり、
コミュニケーションの問題が浮き彫りになったりすることがあります。
客観的な数値で、示されることが大事です。
分析結果を基に、職場環境の改善策を検討・実施することで、
メンタルヘルス不調を未然に防ぐことができます。
単なる個人の状態チェックではなく、
より健康的で働きやすい職場づくりのためのツールと言えそうです。
【小規模事業場への制度拡大の検討】
最近では、50人未満の小規模事業場にも制度を広げる検討が進められています。
現状では努力義務ですが、義務化の方向で検討されています。
外部機関を活用することで、プライバシー保護の課題は対応可能です。
実施コストは1人あたり数百円から千円程度に抑制できそうですが、
十分な準備期間（数年程度）を設定する必要性があります。
１）主な課題と対応策
小規模事業場特有の課題（家族経営など）への配慮や、
地域産業保健センター等による支援体制の強化、実施マニュアルの整備と周知の徹底、
事業場の規模や業態に応じた柔軟な対応などが挙げられます。
２）集団分析・職場環境改善について
ただし、小規模事業場において、現時点での義務化は時期尚早との判断しています。
実際は、大企業でも試行錯誤している状況です。
好事例の収集、取り組みの周知、経営層の関与が必要ですね。
３）今後の方向性
メンタルヘルス対策は重要ですが、全体像の中で
位置づけを明確化することで、取り組む意義が分かりやすくなります。
人事労務管理との連携や実施体制の整備と支援の充実、
効果的な運用方法の検討と普及が求められます。
以上です。では、また明日(^-^)v
（当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。）
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
医療経営士1級（2023年合格）、中小企業診断士2次試験合格（2023年度）、次は登録。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ（HIIT）、読書。
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