【理論と実践】医療制度の変革期における病院経営の新たな方向性
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令和7年1月13日 医療・介護経営の理論と実践 2437号
■医療制度の変革期における病院経営の新たな方向性
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
医療制度改革で見えてきた病院経営の新たな方向性について、考えてみましょう。
厚労省から、新たな地域医療構想について、情報が提供され始めていますね。
医療制度改革が進む中、特に注目すべき変更点として「回復期」から「包括期」への機能・名称変更が挙げられます。
この変更は単なる名称変更ではなく、医療提供体制の転換点を示しています。
【包括期への転換が意味するもの】
従来の「回復期」という名称は、急性期後のリハビリテーションを中心とした機能というイメージが強く、
やや限定的な印象がありました。これに対し「包括期」という新しい名称には、
より幅広い医療ニーズへの対応を含む意図が込められています。
特筆すべきは、高齢者救急医療もこの機能に含まれることになった点です。
令和6年改定でも、大きく話題になった部分ですね。
【変革期における医療機関の対応策】
このような制度変更を踏まえ、医療機関は以下のような対応を検討する必要があります。
1、機能の複合化・柔軟化
1)急性期、包括期の境界を柔軟に捉え、患者のニーズに応じた切れ目のない医療提供体制の構築
2)高齢者救急への対応力強化と、その後の継続的なケアの体制整備
2、地域連携の強化
1)救急医療における近隣医療機関との役割分担(改定では、下り搬送の話題もありました)
2)スムーズな患者の受け入れ・転院調整のための連携強化(機能分化だけで不十分です)
3)在宅医療機関との密接な協力体制の構築
3、人材育成・確保の新展開
1)救急救命士の病院での活用など、新たな人材活用方策の検討
2)多職種連携を前提とした教育・研修体制の整備
【これからの病院経営に求められるもの】
今後の病院経営において重要なのは、
「機能の選択と集中」に加えて、「機能の複合化と連携」という視点でしょう。
高齢化が進む地域社会において、医療機関には従来の機能区分にとらわれない、
柔軟な対応が求められています。
特に、高齢者救急への対応は、今後の地域医療において重要な課題となります。
軽症・中等症の高齢患者の増加に対し、いかに効率的かつ質の高い医療を提供できるかが、
病院の価値(地域で求められる)を決める要因となるでしょう。
【おわりに】
医療制度改革は、医療機関にとって大きな変革を迫るものですが、
同時に新たな可能性も開いています。
各医療機関が自院の強みを活かしつつ、地域のニーズに応じた柔軟な機能展開を図ることで、
持続可能な医療提供体制の構築が可能となります。
高齢者救急への対応と地域連携の重要性が増し、これからの病院経営の方向性が見えてきますので、
しっかり対応していく必要がありますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
医療経営士1級、中小企業診断士2次試験合格(2023年度)、登録活動中。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書