【理論と実践】医療機関が押さえるべき3つの財務指標

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令和8年1月21日 医療・介護経営の理論と実践 2809号

■医療機関が押さえるべき3つの財務指標

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おはようございます。中神です。

医療機関の経営判断は、つい「今年の利益はどうか」という視点に偏りがちです。

しかし、持続可能な経営を実現するには、
損益計算書、貸借対照表、資金繰り表の3つの視点を
バランスよく見ていく力が不可欠です。

■なぜ3つの指標すべてが必要なのか

損益計算書は、その期間の経営成績を示します。
利益が出ていれば、一見すると安心に見えます。
ところが利益は「見かけ」で、実際の現金とは異なることがあります。

貸借対照表は、組織の資産・負債・純資産の状況を示します。
これは「経営体力」の指標です。
利益をどれだけ資産として積み重ねているのか、
どの程度の負債を抱えているのかが分かります。

資金繰り表は、実際の現金の流れを示します。
損益計算書で利益が出ていても、支払い期限と入金時期がズレれば、
現金が足りなくなることがあります。

■ケーススタディ 3つのバランスが崩れる

ケース1:高利益だが資金繰り悪化

新しく病棟を新設し、大型投資を実施。
翌年度以降は、その投資が功を奏して利益が好転するはず。
しかし初年度から次年度にかけて、
設備購入費と継続的な機器リース料の支払いが発生。
帳簿上は利益が出ているのに、実際の現金がショート。
給与支払いや仕入先への債務が滞る─こうした事態が起こり得る。

学び:利益が出ていることと、現金が潤沢にあることは別問題です。
投資判断には、資金繰り表で支払いタイミングをしっかり確認する必要があります。

ケース2:資金は豊富だが利益悪化

老健施設の稼働率が低迷し、複数年にわたって赤字が続いている。
幸い、過去の蓄積がある貸借対照表なので、当面は運営を続けることができる。
しかし赤字が3年続くと、せっかく積み立てた資産は消えていく。
利益を生み出す構造を改善しなければ、
資金がある間の「つなぎ」にしかならない。
やがて純資産は目減りし、経営体力は確実に低下していく。

学び:資金があるからといって安心はできません。
持続可能な利益構造を作ることが、長期的な組織存続の鍵です。

ケース3:利益・資金は良好だが負債増加

新たな施設整備を借金で実施し、その結果、利益も好調、現金も潤沢。
しかし負債ばかりが増えていないか。
借金は「将来の利益」を担保にしている。
返済期間中に経営環境が悪化すれば、その負担は重くのしかかる。
表面的な利益の良さに気を取られ、
貸借対照表の「負債」の増加を見落とせば、実質的な経営体力は低下している。

学び:資本構成の健全性が重要です。
利益率だけでなく、負債比率や自己資本比率といった観点も監視が必要です。

■3つのバランスを保つために

医療機関の経営者・管理職には、
これら3つの指標を定期的にチェックする習慣が求められます。

・資金繰り表で現金の流れを確認し、支払い不足を防ぐ
・損益計算書で利益構造を分析し、改善点を見つける
・貸借対照表で純資産と負債の健全性を評価する

「今月の利益がいくら」「今年度の黒字が確定」という
一面的な情報だけでは、経営の真実は見えません。

3つの視点からバランスよく経営状況を把握することが、
持続可能な医療機関経営の第一歩です。

利益だけでは危ない。資金だけでも不十分。経営体力の維持にも目を配る。

この複眼的な経営感覚を身につけることで、
初めて医療機関として生き残り、成長できるのではないでしょうか。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。

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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

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