【理論と実践】月次決算を活用した経営判断の重要性
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令和8年2月13日 医療・介護経営の理論と実践 2832号
■月次決算を活用した経営判断の重要性
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おはようございます。中神です。
前回は、BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の
基本的な関係性についてお話ししました。
今回は第2回、月次決算の活用方法と、
経営判断における数字把握の重要性について解説します。
「数字を見るのって難しそう…」と思われるかもしれませんが、
ポイントさえ押さえれば大丈夫です。
■あなたの病院・クリニックは、月次でBSを見ていますか?
・なぜBSを見る必要があるのか
経営判断のためには、PLだけでなくBSも確認する必要があります。
なぜでしょうか?
・PLで利益が出ていても、現金がなければ倒産する
これが最大の理由です。
PLで黒字でも、現金が不足していれば資金繰りに困ります。
給与が払えない、業者への支払いができない…そんな事態になりかねません。
逆に、PLで赤字であっても手元現金が潤沢であれば、
当面の経営は継続できます。
■現金残高と借入金の状況を把握しないと、適切な意思決定ができない
新しい医療機器を導入しようか?
スタッフを増員しようか?
新規事業を始めようか?
こうした判断をするとき、
「今、手元にどれだけ現金があるのか」
「借入金はいくらあって、返済計画はどうなっているのか」
を知らずに決めることはできませんよね。
つまり、PLとBSの両方を見て初めて、
法人の真の財務状態が把握できるのです。
■「不安を煽る」のではなく「現状を認識する」
「数字を見ると不安になる…」
そんな声を聞くことがあります。でも、これは大きな誤解です。
・数字は「現状を正しく認識する」ためのツール
数字を見ることは「不安を煽る」ためではありません。
「現状認識をする」ためのツールなのです。
わかりやすい比喩があります。
「飛行機がどの高度を飛んでいるかを把握せず、
地面にぶつかる直前に気づくような状態は避けるべき」
計器(財務数字)を見ずに飛行機を操縦するパイロットはいませんよね。
同様に、経営者も財務数字という計器を常に確認しながら、
病院・クリニックという組織を操縦する必要があります。
■今どこを飛んでいるかがわかれば、対策が打てる
数字を見て「まずい状況だ」とわかれば、対策を打つことができます。
でも、数字を見ないで「なんとなく大丈夫だろう」と思っていたら、
気づいたときにはもう手遅れ…ということになりかねません。
■感情ではなく、事実に基づいた意思決定を
経営判断において、最も重要なのは何でしょうか?
それは、「意思決定をする立場の者が財務数字を見て判断する」ことです。
・「不安だから」ではなく「数字がこうだから」
感情論:「なんとなく不安だから、設備投資は控えよう」
事実論:「現金残高が○○万円で、借入金が△△万円だから、この範囲なら投資できる」
どちらが適切な判断でしょうか?明らかに後者ですよね。
「不安だから」「心配だから」という感情論ではなく、
「現金残高が○○円で、借入金が△△円、回収見込みは◇◇」
という事実に基づいて判断する。
これが健全な経営の基本です。
■数字を共通認識として、意思決定の場を広げる
経営陣だけが数字を理解しているのではなく、
意思決定に関わるメンバー全員が同じ数字を見て、
同じ理解のもとで議論できる体制を作ることが理想です。
しかし、多くの医療機関では院長が経営的な数字を
詳しく把握できていないのが実情だと思います。。
医療の専門家である医師が、必ずしも経営の専門家ではないのは当然のこと。
これは批判ではなく、業界全体の課題です。
■うまく経営できているところは何が違う?
民間病院・クリニックでうまく経営できているところは、
院長または経営陣が数字を把握して対応しています。
・BSとPLの両方を確認している
・数字に基づいて経営判断をしている
・スタッフとも数字を共有し、共通認識を持っている
こうした取り組みが、持続可能な医療経営につながっているのです。
■まとめ:月次決算で「計器」を確認しよう
今回のポイントをまとめます。
【月次でBSを見るべき理由】
・PLだけでは真の財務状態がわからない
・現金残高と借入金の状況把握が経営判断の前提
・早期発見・早期対応が可能になる
【数字との向き合い方】
・数字は「不安を煽る」ものではなく「現状を正しく認識する」ためのツール
・感情ではなく、事実に基づいた意思決定を
・数字を共通認識として、関係者全員で議論する
次回は、診療報酬改定への対応、各施設の収支管理、銀行との関係構築など、
より具体的な経営課題について取り上げます。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

