【1486】プロダクトポートフォリオマネジメントにおける問題児
~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
中神勇輝です!
1486目。「病院経営の理論と実践塾」より、日々の学びや気づきをお知らせします(^_^)
しばらく医療経営士の試験対策も兼ねて、長英一郎さん作成の医療経営士1級の予想問題集より学びをシェアします。
今日のテーマは「プロダクトポートフォリオマネジメントにおける問題児」について。
プロダクトポートフォリオマネジメントでは、各事業を一つのユニットとします。
そのユニットごとに、市場成長率が高いか低いか、市場占有率が高いか低いか、の4カテゴリーに分けて戦略を考えます。
今回、話題にする「問題児」とは、市場占有率が低く、市場成長率が高い、と考えられる事業のことです。
一般に、「問題児」と言われる領域は、ある程度の資源投入が必要とされます。
そのため、最初は、利益が出にくい、金食い虫、という状態が続きます。
その資源投入が成果を出し、市場占有率(シェア)を高くできるかどうか、不確実です。
しかし、リスクを取らなければ、成果を出すこともできません。
その行動の結果、市場占有率が高くなった事業を「花形」といいます。
しかし、いつまでも、市場成長率が高い状態ではいられません。
必ず成長が止まる時があります。
それでも市場占有率が高いため、」金のなる木」という領域に入ります。
資源投入量は減る中でも、収益を得ていますので、その事業がは多くの収益を生みます。
その事業で得られた収益を新規事業に投入することで、新たな展開を生み出せます。
というように、全ての事業が進めば良いですが、そうならない事業も、もちろんあります。
それが「負け犬」という領域です。
市場成長率も低く、市場占有率も低い事業であり、撤退がセオリーと言われます。
ここまでが、一般論のプロダクトポートフォリオマネジメントです。
ただし医療業界において、一概に全てを撤退すべきとは限りません。
医療には不採算部門と言われる分野があります。
よく言われるのは、周産期、小児医療、救急医療、といった事業です。
これらは、診療報酬上、または人員配置の関係上、利益が出にくい事業です。
とはいえ、救急医療、小児医療、周産期医療がすべて撤退したとすれば、医療はどうなるでしょうか。
当然、必要な事業であり、診療科といえます。
そのため、1部門だけ見るのではなくて全体的な視点で考え、地域に必要な医療を提供していく。
そういった視点が医療業界には求められます。
もちろん、少しでも利益が出るような取り組みは必要です。
しかし、制度上難しい点もあります。
全体最適の視点で、診療科同士で支えあって地域に医療を提供していきたいですね。
ちなみに、オンライン診療は、今のところ市場占有率は低いです。
しかし、生産性の向上、患者の利便性といった点では市場成長率は高い分野と言えます。
また、ICT技術も医療業界ではまだまだ進んでいません。
そんな状態ですので、市場成長率が高い分野であり、他業界からすれば参入したくなる業界です。
DX化の流れはますます速くなるでしょう。
その流れに、病院が乗れるかどうかも大事ですね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)