【理論と実践】日本の医療提供体制の特徴と将来像・展望(4つの視点)
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令和5年6月28日 病院経営の理論と実践 1872号
■日本の医療提供体制の特徴と将来像・展望(4つの視点)
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日の内容は、 医療経営士1級受験対策ということで学びをシェアしていきたいと思います。
(長英一郎さん作成の問題集より)
日本の医療提供体制の特徴と将来像・展望について確認しましょう!
特徴について、大きく4つ挙げられています。
・民間中心の医療提供体制
・連続的な医療提供体制
・資本集約的・労働集約的な医療提供体制
・自由放任主義
以上、4つです。
改めて言語化しようとすると、うまくできないなー、と思いながら、問題を解いていました。
まず、1つ目の民間中心の医療体制から見てみましょう。
日本の医療機関は、ほとんどが民間病院です。
そのため、政策での体制変更が困難です。
強制力を働かせることができません。
ちなみに強制力を働かせた場合、どうなるでしょうか?
病院は自治が困難になります。
では、国がすべての医療機関の運営から経営まですべて面倒を見ることができるかといえば、無理です。
よって、国としても現状の体制を大幅に変えることはできないのが現状です。
また、地域医療構想で、ある程度方向性は示されていますが、同じく強制力はありません。
都道府県としては、話し合いの場を設けていますが、地域の医療機関の自主的な選択に任せられています。
よって、強制的な「最適化」は難しいのが現状です。
2つ目の連続的な医療提供体制を見てみましょう。
日本の病院は、まず無床診療所から始まり、有床診療所、中小病院、大病院へと変化してきました。
それぞれの特徴・独自性のもとに発展してきた、ということです。
ある程度、診療報酬で誘導してはいるものの、これを「最適化」するのは、容易ではありません。
3つ目の、資本集約的・労働集約的な医療提供体制について見てみましょう。
日本は、欧米等に比べて、相対的に病床数や医療機器が多いです。
しかし、一床あたりの医師や看護師が手薄であることが挙げられます。
つまり、患者数に対して、医療従事者が手薄ということです。
ただし、この状況を医療機関・ベッドの数だけで考えると、見誤ります。
家族や地域の施設、コミュニティーも踏まえて捉えなければ、一概に過不足は語れません。
わかりやすく言えば、入院か、在宅診療かを考えた時に、選択肢の多くが入院しかない、という状況もあるでしょう。
在宅で対応できる地域力があるかどうか、その力が無い状態で、病床だけ減らせ!、は乱暴であることが分かります。
4つの自由放任主義とは何でしょうか?
医療機関の開設、立地、診療科の標榜等が原則自由であることが挙げられます。
また、医療計画で病床削減の権限がないため、結局は、地域の医療機関任せです。
民間病院が多いことが要因です。
さて、 こういった状況を鑑み、考えられることは以下の通りです。
散在している医療機関について、ある程度、集約し、診療密度を高めることです。
ただ、言うは易し、行うは難しです。
それでも、できることもあります。
法人は異なったとしても、情報共有のしやすい環境を構築することで、地域として診療密度を高めることはできるでしょう。
病床機能の分化により、病床の適正化を図ることは、待った無しです。
少子高齢化で、求められる医療の形は変わってきます。
急性期だけやっていれば良い時代でもありません。
過剰病床による人材の囲い込みを解消し、1つの病院における医師や看護師の負担を軽減させることが、
患者に対する医療の質を向上させることにも繋がります。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。