【理論と実践】営利・非営利における医業活動・医療提供のフェイズ・破壊的ノベーション(医療経営士テキスト 中級・一般1 所感)
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令和6年1月9日 病院経営の理論と実践 2067号
■営利・非営利における医業活動・医療提供のフェイズ・破壊的ノベーション
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
医療経営士2級テキスト「一般」の「医療経営概論」より学びをシェアします。
今回は、近年の医療動向(営利・非営利における医業活動・医療提供のフェイズ・破壊的ノベーション)について確認します。
【営利・非営利における医業活動】
・医学の営利、非営利
営利法人と非営利法人の決定的な違いは何でしょうか?
大きな違いは、「利益の分配をしない」ということです。
非営利法人、つまり医療法人でも利益をあげることは禁止されていませんし、
むしろ利益を上げなければ、健全な事業とは言えません。
得られた利益を再投資し、患者や地域に還元していくことが社会的責任です。
・混合診療の禁止
同一疾患に対し、保険診療と自費診療を一緒に行うことは禁じられています。
貧富の差で受けられる医療に差があってはならない、というのが理由です。
保険診療内であれば、確かに、高額療養費制度や生活保護制度などで、貧富の差による受療不可をなくす工夫がされています。
ただ、一部、制度で併用を認められている療法もあり、そこでは差が出ていると言えます。
【医療提供のフェイズ】
・プライマリ・ケアから三次医療
一次医療(プライマリ・ケア)は、かかりつけ医といった、軽症患者、地域医療のゲートキーパーから看取りなどを担います。
二次医療は、入院医療および専門外来医療を提供するもので、診療所や他の医療機関との連携して医療を提供します。
三次医療は、特殊・先進的な医療に対応する特殊な診断を必要とする高度・専門的 な医療です。
・コミュニティーホスピタル
豊田市総合計画で定められた地域包括ケアシステムの一翼を担うことを目的として、
地域の医療機関等と連携し、病棟・外来・在宅をシームレスにつなぎ、
地域との関わりを大切にした病院のことです。
( https://www.toyotachiiki-mc.or.jp/news/866/ )
・アージェントケアセンター(UCC)
一般救急医療、治療には急を要しますが、
すぐに命に関わるとは思われない怪我や病気のケアに対応できるセンターのことです。
救急医療は、医療機関側の負担が大きく、逼迫しています。
そのなか、下り搬送、救急の役割の見直し、患者のコンビニ受診の問題などが話題になっています。
救急医療は、中医協でも話題になっていますね。
・メディカルツーリズムとJCI
メディカルツーリズムは、医療や健診を受けることを大きな目的としたツアー・旅行のことであり、
外国人のニーズをいかに拾えるか、体制を整えられるか、ということが課題です。
保険診療では限界を迎えつつある、医療業界の事業展開の候補でもあります。
JCIは、米国の病院評価機構(JC:The Joint Commission)から発展して設立された、
医療の質と患者さんの安全性を国際的に審査する機関です。
【破壊的ノベーション】
持続的イノベーション(現状からの改善)で解決できないことが増え、
破壊的イノベーション(新たな技術革新)の重要性が高まっています。
少子高齢化で、日本の医療業界も今のままでは対応できません。
DX化という言葉に代表されるように、流れに乗っていく必要があります。
・アメリカの状況分析
メディカルホームは、いわゆる町医者、かかりつけ医のことで、イギリスでいう「GP制度」です。
医師不足と患者数急増に対し、ナースプラクティショナー (NP)による、初期診療も行われています。
医療費削減、DX化の流れで、いかに患者中心の医療を構築していくか、どの国も大きな課題です。
イノベーションを考えるにあたって、
既存のルールや、事業モデル、
バリューネットワーク(車に価値があるのは、道路が舗装され、法制度化されているから普及)
のしがらみから脱却できるタネがどこにあるか、という点は重要ですね。
医療は、法律や基準等のしがらみが大きく、医療安全等の観点からも
「既存」から逸脱したことを行いにくいという特徴があります。
そういった背景を踏まえて、医療機関のDX化を考える必要があると改めて思います。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
(以下は、参考までに、勉強当時(2015年頃)の中級テキストのタイトルです)
・一般講座
医療経営概論
経営理念・ビジョン/経営戦略
医療マーケティングと地域医療
医療ITシステム
組織管理/組織改革
人的資源管理
物品管理/事務管理
財務・会計/資金調達(1)財務・会計
財務・会計/資金調達(2)資金調達
医療法務/医療の安全管理
・専門講座
診療報酬制度の請求事務
広報・広告/ブランディング
部門別管理
医療・介護の連携
経営手法の進化と多様化
リーダーシップと投資活動/ガバナビリティ
業務改革
チーム力と現場力
医療サービスの多様化と実践
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/ (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/ (紹介)
◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/
◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A
この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。現在は2次試験の結果待ち)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。