【理論と実践】「ムラ」をなくすことが利益を生む
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令和8年3月12日 医療・介護経営の理論と実践 2858号
■「ムラ」をなくすことが利益を生む
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おはようございます。中神です。
研修の学び、3回目です!
前回までで「逆算の事業計画」「原価コントロール」「人件費の設計」を
扱いました。今回は、それらを支える運用面の改善と、
収益の「外向き」の設計、地域への情報発信について整理します。
■「忙しい」の正体を分解する
「繁忙期だから仕方ない」「いまは人手が足りない」。
こういう声が上がるとき、それを額面通りに受け取っていないでしょうか。
本当に忙しいのか、それともムリ・ムダ・ムラが混在しているのか。
この問いを立てられるかどうかが、管理者としての重要な分岐点です。
ここで使える概念が「ムリ・ムダ・ムラ」です。
一日の業務の中でも、「超過稼働している時間帯」と
「手が空いている時間帯」が混在しているケースは多いです。
この上下のばらつき(ムラ)をなくすことが、実は最も効率化への近道です。
■ECRS:業務量を「減らす」のではなく「効率を上げる」
ムリ・ムダ・ムラを洗い出した後、
改善の手順として使えるのがECRSというフレームワークです。
E(Eliminate)廃止 この業務、本当に必要か
C(Combine)統合 別の業務とまとめられないか
R(Rearrange)順序 変更順番を変えれば効率が上がらないか
S(Simplify)簡素化 もっとシンプルにできないか
重要なのは、このフレームワークが「業務量を削る」ためではなく、
「同じリソースでより多くの価値を生む」ために使うものだという点です。
単純に業務を削るだけでは、質の低下や漏れに直結します。
ECRSのEから順番に検討することで、
廃止できるものはなくし、残すものは最大限に効率化する。
この順序が大切です。
■効率化の4つの視点
業務効率を上げるには、大きく4つの視点から整理することができます。
1)情報の効率化:DXや新しい仕組みによって、情報の流通・活用を改善する
2)人員配置と適用の効率化:誰がどこで何をするかを収益連動で見直す
3)資源発注の効率化:必要な量を必要なタイミングで調達する仕組みを整える
4)資金活用の効率化:余剰資金の運用・固定費の最適化
この4つに照らしたとき、自院でどの視点が最も手薄かを考えてみてください。
「ムラ」は往々にして、このどれかが抜けているところに潜んでいます。
■「広報」は収益構造のど真ん中にある
医療のバリューチェーンを
「原価 → 人件費 → 運用 → 広報 → 治療(患者体験)」と捉えると、
広報は収益構造の外側にあるものではなく、
真ん中に位置するものだと分かります。
自院がどんな治療ができて、どんな人材が配置されていて、
地域の中でどんな役割を果たそうとしているか。
これを地域に伝えていなければ、患者さんは来ようがありません。
意外と盲点になっているのが
「院内だけが認識していて、地域には伝わっていない」という状況。
地域に出てみて初めて「自院が何をやっているか知られていない」と気づく、
というのはよくある話です。
■広報の具体的な手段
地域への情報発信として有効な手段には、
大きくアナログとデジタルの2系統があります。
・アナログ系
公開講座(地域の公民館等へ出向き、診療内容を直接説明)
地域連携室を通じたかかりつけ医向けの情報共有
・デジタル系
SNS(LINE、Instagram等)での情報発信
ホームページの定期的な更新
重要なのは「一度やって終わり」にしないことです。
継続的に接点を持ち、認知ではなく信頼を積み上げることが、
中長期の患者流入につながります。
■コストダウンとバリュー向上
収益構造を改善するには、コストを下げることと、
収益を上げることを対立させて考えないことが大切です。
コストダウンは利益を守る。
バリュー向上(質の改善・機能の拡充・広報強化)は収益を高める。
コストが下がり、収益が上がる。
その間に広がる余白こそが、病院として次の投資や地域貢献に回せる力であり、
「利益を出す」ことは、患者さんや職員にとって必要なことであり、
組織に目的を達成し続けるための必要条件です。
その構造をどう設計するか。
そこに、医療経営の醍醐味があると思います。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

