【理論と実践】医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等(中医協)

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令和6年7月8日 医療・介護経営の理論と実践 2248号

■医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等(中医協)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走された医療機関が多いことでしょう。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じています。
令和8年の改定に向けて、引き続き、
森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要がありますね。

【本日の内容】

本日のテーマ・内容は、「地医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等」です。

改定もひと段落、中医協も令和8年度の改定に向いて動いていますね。
答申書附帯意見に関する事項について、
入院・外来医療等の調査・評価分科会で調査・検証・検討を行うこととして、
令和6年5月15日の中医協総会で了承されました。

その調査内容は、以下の通りです。

(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001270658.pdf )

(1)急性期医療及び救急医療等に対する評価の見直しの影響について
(2)特定集中治療室管理料等の集中治療を行う入院料の見直しの影響について
(3)地域包括医療病棟の新設の影響について
(4)地域包括ケア病棟入院料及び回復期リハ病棟入院料の実績要件等の見直しの影響について
(5)療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響について
(6)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等について
(7)外来医療に係る評価等について
(8)医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態について

その中の(6)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等について見てみましょう。

【附帯意見(抜粋)】

4 医師の働き方改革の更なる推進を図る観点から、
医療機関全体の取組に対する評価の在り方、
タスクシフト・タスクシェアの進捗及び各医療従事者の負担の軽減、
人材確保が困難である状況の中での看護補助者の定着等について、
今回改定による影響の調査・検証を行うとともに、
実効性のある取り組みに繋がる評価の在り方等について引き続き検討すること。

(所感)

タスクシフトやタスクシェアにスムーズに取り組むためには、
それぞれの職種にどのような役割を与えて、貢献を言語化する、
ということがポイントですよね。
単なる業務移管では、仕事を受ける側のモチベーションが下がる可能性もあります。

また、人材確保が困難である看護補助者の確保については、
「3年以上の看護補助者としての勤務経験を有する看護補助者の5割以上の配置」が
求められる点数もあります。

働き続けたいと思える職場環境の体制のために、働きやすさに加えて、
キャリアアップの体制づくりが必要ですね。

【関係する主な改定内容】

1)地域医療体制確保加算、手術・処置の時間外加算1等の見直し
2)看護職員夜間配置加算、看護補助体制充実加算等に係る評価の見直し
3)医師事務作業補助体制加算、病棟薬剤業務実施加算の見直し

【調査内容案】

1)調査対象

病院勤務医・看護職員の負担軽減に資する取組を要件とする項目(総合入院体制加算、
医師事務作業補助体制加算、急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算、
看護補助加算、看護補助体制充実加算、病棟薬剤業務実施加算、地域医療体制確保加算、
処置・手術の休日加算1・時間外加算1・深夜加算1等)を届け出ている医療機関

2)調査内容

負担軽減に資する取組を要件とする加算の届出状況、
職員体制(常勤配置等)、勤務状況(医師、看護職員の勤務時間等)、
負担軽減に資する取組の実施状況及び今後取り組む予定の事項 等。

(所感)

どのような届け出が出ているか、という視点での評価に加えて、
要件を満たして届出されている医療機関でも、どの程度の職員が配置できているか、
という数値的な評価がされそうですね。

地域包括ケア病棟入院料における看護補助体制充実加算については、
キャリアラダーの作成、評価への活用が求められます。
(看護補助者の業務に必要な能力を段階的に示し、看護補助者の育成や評価に活用)
職員がキャリアアップできる、長く働きたいと思える仕組みづくりができるか、
実効性を伴っているかどうか、ですね。

看護職員夜間配置加算においては、
夜勤負担軽減の取り組みにICTの活用等を入れることが望ましい、
となった点が印象的で、次回改定時は、この項目が必須項目になるかもしれない、
と感じます。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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