【理論と実践】収益予算は、必要利益から「逆算」する

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令和8年3月10日 医療・介護経営の理論と実践 2856号

■収益予算は、必要利益から「逆算」する

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おはようございます。中神です。

病院の予算を組む時期です。

昨年実績をベースに、人員増分と物価上昇分を加算して
今年度の収益目標を設定すると思いますが、大事なことは、目標利益の設定です。

研修で学んだことについて、振り返りたいと思います。

■「値下げの罠」から考える

収益思考の出発点として「価格と利益の関係」を確認しておきましょう。

たとえば、定価100円の商品があるとします。
材料費・人件費等の原価が90円だとすれば、利益は10円、利益率は10%です。

ここで「1%値下げして集客しよう」という判断をしたとします。
100円が99円になります。
でも原価は変わりません。

■「利益」はどうなるか

利益は10円 → 9円。
たった1円の差に見えますが、10円の10%は、1円ですので、
利益額ベースでは10%の減少です。

医療経営でも同じ構造があります。
「少し単価を下げてでも患者数を増やそう」という発想は、
一見合理的に見えて、実は利益の減少率が価格の減少率より
ずっと大きいという罠にはまりがちです。

着目点をコストダウンや価値の向上に変えることで、
わずかなエネルギーで利益構造を守れる。

これが「コストリーダーシップ戦略」の本質です。

■医療は「経験の経済」が働く

製造業でよく使われる「規模の経済」(大量生産でコストを下げる)は、
医療にはほとんど当てはまりません。
医療に機能するのは「経験の経済」です。

生産量が増えて習熟度が上がることでコストが下がる、
つまり職員の育成・経験蓄積が収益構造の重要な変数だといえます。

■医療収益の本質は3つの軸

経営上、「過去データの分析 → 課題解決」というサイクルで
捉えることが多いです。

でも、もう少し根っこを掘り下げると、
収益構造を支える軸は次の3つに絞られます。

1)目的性:組織が何のために存在しているか
2)継続性:変化しながらも超長期の価値を提供し続ける仕組み
3)資源分配:限られた資源をどこにどう配分するか

「稼ぐこと」そのものが目的ではありません。
目的を達成し続けるための仕組みを構築することが、経営の本質です。
医療法人として地域から信頼を得て存続するためには、
最低限の収支差益を確保する仕組みが必要であり、
それを設計するのが事務職の重要な役割です。

■「逆算」の業績計画とは何か

一般的な積み上げ式の計画は、こういう流れです。

今年の実績 + 人員増分 + 物価上昇分 → 今年度の収益目標

一方、逆算アプローチはこうです。

1)まず「必要な経常利益」を決める
2)そこから原価・人件費・減価償却費を組み上げる
3)結果として「必要な利用収益」を導き出す

「いくら収益が上がりそうか」ではなく、
利益目標のために「いくらの収益を上げる必要があるか」から設計する。
この逆算思考を実践するためには、
「原価コントロール」と「人件費管理」が求められます。

次回、一緒に学んでいきましょう。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝(なかがみゆうき)。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
中小企業診断士、医療経営士1級。
趣味は、マラソン、ドラム、家庭菜園、筋トレ(HIIT)、読書。

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