【理論と実践】労働生産性の低さ いったい何が課題なのか?

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令和5年1月31日 病院経営の理論と実践 1724号

■労働生産性の低さ いったい何が課題なのか?

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜最近のブログのテーマ〜

・平日は、中小企業診断士関係
・土日は、医療・介護経営関係

今日は、平日ですので、中小企業診断士関係です。
最近の参考図書は、「中小企業白書」です。

〜今日のテーマ〜

第5節「労働生産性と分配 」(中小企業・小規模事業者の労働生産性と分配)

将来的に人口減少が見込まれる中、
我が国経済の更なる成長のためには、
企業全体の 99.7%を占める中小企業の労働生産性を高めることが重要である。

・企業規模別の従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移を見る。

中小企業の労働生産性は製造業、非製造業共に、
大きな落ち込みはないものの、長らく「横ばい」傾向が続いていることが分かる。

とあります。

日本の労働生産性が低い、と言われて久しいです。
医療機関も似たようなものです。
ようやくICT化の風が医療業界にも吹いてきました。
診療報酬の適正化、少子高齢化、生産年齢人口の減少に伴い、
生産性が低いままでは経営が成り立たなくなっています。
改革が求められる時期と感じます。

・企業規模別の労働生産性の水準を比較する。

企業規模別に上位 10%、中央値、下位 10%の労働生産性の状況を見ると、
いずれの区分においても、企業規模が大きくなるにつれて、労働生産性が「高く」なっている。

しかし、中小企業の上位10%の水準は大企業の中央値を上回っており、
中小企業の中にも高い労働生産性の企業が一定程度存在していることが分かる。

反対に、大企業の下位 10%の水準は中小企業の中央値を下回っており、
企業規模は大きいが労働生産性の低い企業も存在している。

とあります。

企業規模が多くなればなるほどに、
縦割り社会が加速し、組織全体の生産性が落ちる、ということが有り得ます。

病院は特に、医師の指示が起点、専門職の集まり、人命優先、ということもあり、
なかなか難しいところがあります。
だからこそ、固定概念に囚われたままでは、変わる時代についていけないと思いますね。

・労働生産性の規模間格差を見る。

「建設業」や「情報通信業」、「卸売業」では、
大企業と中小企業の労働生産性の格差が大きい。

「小売業」や「宿泊業, 飲食サービス業」、「生活関連サービス業, 娯楽業」では、
大企業も含め業種全体での労働生産性が低いこともあり、企業規模間の格差は比較的小さい。

とあります。

機械・システム化が進みやすい業態は規模の大きい企業の方が生産性が高く、
人によるサービスがメインの業態は、規模の大小関係なく、生産性が低い、
というのは、なんとなく分かる気がします。

・我が国の労働生産性について国際比較する。

日本の労働生産性については、OECD加盟国38か国中28位とOECD平均を下回る。
首位のアイルランドの約「4割」弱程度の水準である。

とあります。

労働生産性の高い、アイルランドでは、どんな働き方をしているのか、
単純に興味が湧きますね。
アイルランドでは、外資系の法人税が低い、公用語がアメリカ、IT・情報通信業が経済を牽引、
といったあたりが特徴のようです。

あと、日本が低いのは、値決めが下手、というのがあるかもしれないですね。
良かろう、安かろう、では「生産性」という数値として悪くなると思います。
ただ、給与が低くても、物価が安ければ、それはそれで暮らしやすいのかもしれませんが、
日本だけで経済を回している訳ではありません。
取り残される前に、生産性の向上は必要でしょう。

・最低賃金を見る。

感染症による経済活動への影響や高齢化・人口減少などといった
構造的な変化に直面する一方で、
残業規制や同一労働同一賃金といった「働き方改革」を始め、
最低賃金の継続的な引上げなどへの対応が必要である。

とあります。

徐々に上がってきていますね。
医療界も同様です。
無資格・事務だから安い給与というのは、抜け出すべきでしょう。
そのためには、原資が必要ですが・・・。

・企業規模別に見た労働分配率の推移を見る。

(企業が事業活動により生み出した付加価値のうち、どれだけ労働者に分配されるか)

大企業に比べて、中規模企業及び小規模企業では、
労働分配率が長年にわたって「高止まり」していることが分かる。

とあります。

中小企業は、生み出した付加価値を人件費以外に
投資できていない実態を表しているように思います。
日本は、良い製品・サービスを提供できていると思いますが、
良いものを安く、でなく、良いものを適正な価格で販売できる経済にしていくことが
海外との関係上も良いのだろうと思います。

保険診療は、公定価格ですので、値上げはできません。
医療の質を担保しつつ、効率よく提供していく生産性が求められる業種と思いますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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