【理論と実践】情報処理システムの構成方法・RASIS等
~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
ご友人等へのメルマガ紹介はこちらから。
https://www.mag2.com/m/0001682907
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
令和5年5月7日 病院経営の理論と実践 1820号
■情報処理システムの構成方法・RASIS等
中神勇輝(なかがみゆうき)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日は、情報処理システムの構成方法・RASIS等について学びます。
過去問完全マスターが参考図書です。
■まず平成25年の第6問ですね。
なかなかに難解な言葉が多いです。
選択肢「ア」では、クライアントサーバシステムについて問われています。
クライアントサーバシステムでは、サーバとクラインアントで役割の異なる機能を分担させています。
つまり、集中処理システムでは発生「しない」分担処理があるため、その処理を統合する工程が追加されます。
そして、このクライアントサーバシステムによって、
レスポンスタイムが向上し、信頼性が向上するかか、ということが問われています。
答えは以下の通りです。
処理結果を統合する処理が付加されるので、レスポンスタイムが向上するとは限りません。
信頼性においては、クライアントとサーバーの両方が正常動作する必要があるため、
システム全体の信頼度で考えると、それぞれの故障率次第では、信頼性が下がる可能性があります。
よって不適切な選択肢となります。
選択肢「イ」では、分散処理システムが問われてます。
クライアントサーバシステムに同じく、分担した機能ごとに処理結果を統合するオーバーヘッドが発生します。
選択肢「ウ」は、デュアルシステムですね。
デュアルシステムは、2系統のシステムを用意して同じ処理を並列に行わせて一定時間ごとに処理結果を合致させます。
故障時、故障した装置を切り離して処理を実行する仕組みです。
よって、レスポンスタイムは別に半減しません。同じですね。
選択肢「エ」は、マルチプロセッサです。
複数のプロセッサで同時に処理を行います。
通常時は処理を複数のプロセッサで分担することでスループットを向上させます。
スループットとは、コンピューターシステムが単位時間あたりで処理する処理件数に基づく性能の評価指標です。
一方のプロセッサが故障した場合は、もう一つのプロセッサで処理を継続できるので、信頼性が向上します。
情報処理システムの構成は色々あり、信頼性の捉え方もややこしいですが、しっかり覚えておきたいところですね。
■関連して、「RASIS」という言葉も確認しておきます。
RASISは、コンピュータシステムに関する評価指標の一つで、
「信頼性」「可用性」「保守性」「保全性」「安全性」の5項目から構成されます。
「R」Reliability(信頼性)。 故障しにくいこと。
「A」Availability(可用性)。 高い稼働率を維持できること。
「S」Serviceability(保守性)。 障害が発生した場合に迅速に復旧できること。
「I」Integrity(保全性)。 データが矛盾を起こさずに一貫性を保っていること。
「S」Security(安全性)。 機密性が高く、不正アクセスがなされにくいこと。
ですね。
■さらに、よく出る言葉として、3つ紹介します。
MTBF、MTTR、MTTFですね。
1、MTBF(Mean Time Between Failure)
製品の平均故障間隔です。
ある製品が稼働してから(または故障から復旧してから)、故障するまでの時間を示しています。
信頼性を指します。
製品Aは90時間、製品Bは200時間とすると、長時間稼働するため、製品Bの方が信頼性が高いと言えます。
2、MTTR(Mean Time To Repair)
製品の平均修理時間です。
ある製品が故障してから、復旧するまでの時間を示している。
保守性を指します。
製品Aは10時間、製品Bは20時間とすると、短い時間で復旧するため、製品Aの方が保守性が高いと言えます。
・MTBF/(MTBF+MTTR)
可用性です。稼働率とも言います。
平均故障間隔(稼働時間)に対し、平均故障間隔(稼働時間)+平均修理時間(故障後復旧までの時間)で、計算します。
例えば、製品Aであれば、90時間/(90時+10時間)で、90%ですね。
3、MTTF(Mean Time To Failure)
製品の平均故障時間です。
ある製品が稼働してから、故障するまでの時間を示しています。
信頼性を指します。
長ければ長いほど、信頼性が高いです。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/ (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/ (紹介)
◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/
◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A
この記事を書いたのは、こんな人。
ーーーーーーーーーーーーーーー
地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。