【1377】病院経営のミソ ー単価と診療区分ー(1)

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1377日。がみチャンネルより、中神がお届けします(^_^)

今日は、「単価分析(診療区分)」について。

収益は、単価と患者数の掛け算です。
その大きな要素を占める単価がどのような構成になっているのか知っておくことは極めて大事です。
単価が高くなったとしても、その要因は、中身を見なければ分かりません。
例えば、高額な薬剤、手術、検査など様々な要素で変わります。
どんな要素で単価が変わったのか、診療診療区分に分けて見ることが大事です。

大きくは、以下の通りの構成です。長くなりますので、今回は、「50 手術」までにします。

10 診察
20 投薬
30 注射
40 処置
50 手術
60 検査
70 画像
80 その他
90 入院

一つ一つ見ていきましょう。

10 診察

診察には、初診料、再診料、紹介状(診療情報提供料)、外来管理加算、指導料、在宅(往診料、訪問診療料など)、いろいろあります。
これらの診療は、材料費が不要ですので、直接粗利益につながるものが多いので、ここが増えることは利益的には大きいと言えます。
ただし、在宅指導管理料に関連して、高額な自宅用の注射が診察の区分で処方されることがあります。
そのため、診察という区分に薬が入っていないと捉えると見誤ることがあります。
注射薬の分がコストとしてかかります。

診察の区分を分析するときには、医師の技術料としての「診察」か、薬剤としての「診察」によって利益に直結しているか確認したいですね。

20 投薬

投薬や注射は、収益額としては大きくなりやすいです。
収益に大きな影響を与える部分です。

医学の進歩によって、高額な薬剤が増えてきています。
アトピーの薬のデュピクセント。
C型肝炎の治療薬のソバルディ、ハーボニー。
これらがあるだけで収益が大きく変動します。

また、院内処方なのか、院外処方なのかで単価は大きく異なります。
収益を考える時に、院外処方で行っている病院の平均外来単価と、院内処方で行っている単価は同じように考えてはダメです。

院内処方がメインの病院は、当然ですが、単価が高くなりやすいです。
院内処方の場合、診療報酬の薬価点数と薬価等購入額との差がありますので、そこに利益が出ます。
ただし、以前と比べて市場価格と薬価の差は小さくなってきています。

院外処方をメインに行っていても高い平均単価であれば、診療密度が高いと言えます。
収益の増減をみて急激に増えるようなことがあれば、この薬の区分がどう変化したのか、チェックしておきたい項目です。

30 注射

注射といえば、お世話になった方が多いでしょう。

皮下注射、筋肉内注射、点滴注射など。
手技料自体は、高くないですが、薬剤は、価格の高低の差が大きいですね。
有名なのは、オプジーボ。抗がん剤は高いです。
整形外科で使われるリウマチに効くレミケード、シンポニー、シムジアといった生物製剤も高額です。

前述の通り、在宅での自己注射もありますが、全部が全部、自分で注射することは難しいため、病院で注射することもあります。
注射は基本病院で行う、薬は院外処方が可能、ということを考えると、投薬と注射の立ち位置は似ているようで違います。
薬は、自宅で内服等できますが、注射は、病院でしかできない手技も多々あります。
このように特徴が違いますので、診療区分で役割を分けて考えることは大事です。

投薬や注射の結果、どのような変化が起きたか確認するために、検査も必要です。
それぞれどのように関連しているのか、要素を分けて確認することが大事ですね。

注射も投薬と同じように、購入額と薬価との差で利益が出る部分もありますので、押さえておきましょう。

40 処置

処置も、同じく単価に差が出やすい項目です。
処置と言っても、いろいろありますね。

外科で良く見かける創傷処置は、代表的なものではないでしょうか。
骨折すればギプス。私も子どもの頃、お世話になりました。
術後のフォローとしても行なわれます。

医療機関や診療科によって特徴がありますので、一概には言えませんが、処置の区分で大きな影響を与えるのは透析ですね。
人工腎臓の点数はとても高額です。透析施設がある病院は、収益の増減に大きな影響を与えます。

とはいえ、手術と比べると、診療報酬の点数が高いものは少ないため、短期的に大きな変化は起きにくい、という特徴があると思います。
手術は、紹介からの手術というパターンが多く、地域のクリニックから紹介を頂くための取り組みで手術が増えることも多々ありますが、処置は、そういう類いのものではないです。
処置が必要な患者は突発的に来られますし、紹介状を持って診察(処置)というほど大げさなものでもないです。
(もちろん全く無い訳ではないですが)
取り組みによってコントロールしにくいのが処置ですので、その増減に一喜一憂せず、中身を確認しておく程度で良いと考えています。

50 手術

急性期において、手術の増減は注視すべき点です。
例えば、手術ができるドクターが増えた場合、逆に退職した場合、大きな影響を受けます。
また、同じ手術件数でも中身(術式、症例)が変われば、平均単価も大きく変わります。
手術室の稼働が同じであっても、中身の変化を確認する必要があります。
手術は、いろいろな種類があります。そして、点数の差も大きいです。

他への影響が大きい診療項目でもあります。
例えば、術前術後の検査、リハビリ、入院など。
特に、急性期病院において、手術件数や手術収益が伸びているかどうかは、最大のチェックポイントと言えます。
その病院、その診療科によって得意とする手術は違いますので、何を見るべきなのか、ということも変わってきますよね。

眼科であれば、白内障手術、硝子体手術、緑内障手術はメインどころでしょう。
整形外科であれば、肩の手術、腰の手術、股関節の手術、脊椎の手術、骨折の手術など。
耳鼻咽喉科であれば、耳、鼻いずれに強いか、など。

あげればキリがありませんが、得意としている手術が伸びているのかどうか、利益率の高い手術が増えているかどうかは、チェックポイントですね。

そして、手術をするにあたって大事なのは麻酔科医の存在です。
執刀医はいる、手術室もある、しかし、麻酔科が不足していて手術ができないとなると、重大な機会損失です。
手術場という環境を整えられているか、麻酔科医が安定して配置できているか、もし課題があるのであれば解決したいですね。

そして、紹介状の状況など、手術に関連する指標を要チェックです。
関係する指標を分析して、行動を起こし、数値がどのように変化するか、増えているか、減っていないか、しっかり確認していきたいですね。

以上です。続きは、また明日(^-^)v

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◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)

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