【1403】手術件数が収入や新入院に与える影響は?

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1403日目。医療経営の森より、中神がお届けします(^_^)

今日のテーマは「手術件数が収入や新入院に与える影響は?」。

結論は、「影響がとても大きいので、しっかり数値を把握しておきましょう」。

今日は、特に急性期の医療機関において重要な「手術件数」について考えてみたいと思います。

手術は、収入に大きな影響を与えます。

なぜ収入に大きな影響を与えるのかというと、まず、「手術そのものの単価が高い」からです。

診療密度の高さを表す大きな要素の1つでもあります。
その病院で、どのような手術を行っているか、という点は、その病院の特徴を示すものになります。
循環器に強いのか、整形外科に強いのか、眼科に強いのか、耳鼻咽喉科に強いのか。
ブランディングにも大きく影響します。
どの診療科に特化しているかをあらわす目印の一つです。

次に、手術は、そのものでの収益も大きいですが、入院の収益にも大きな影響を与えます。

手術をすれば、たいてい入院します。
日帰り手術もありますが、やはり、入院して手術を受けるケースが多いです。
1週間、2週間、4週間と術後の経過やリハビリを必要とする手術もあります。
長い期間の入院になります。
一件の手術が、入院日数、つまり延べ患者数で言うと、1週間で7人、2週間で14人、4週間で28人となります。
影響が大きいことが分かります。

よって手術件数をフォローするのは、とても大事です。

確認の仕方としては、診療科別の手術件数。
これは基本になると思います。
緊急手術や時間外の対応のケースがどれぐらいあるのか、ということも現場の忙しさや負担を可視化する大事な要素になります。

診療科別に確認すれば、今度は手技ごとの確認も必要です。
自院の診療科のドクターの得意な手術症例が集まっているのか。
その手術件数がどのように変化しているか。
変わってきたとすれば、なぜ変わっているのか。

ここがとても大事です。

例年通りということであれば大きな問題は無いかもしれません。
明らかに減っているのであれば当然ですが、徐々に減っているとしても、なぜそのようなことになっているのかフォローする必要があります。

それは、ドクターが減ったからなのか。
もしくは、近隣に同じ手術治療ができる病院が出てきたのか。
はたまた、新しい治療技術が生まれたのか。

いろいろあります。

もしその手術の収益をあてにしているとすれば、それが変わったときに経営が成り立たくなってしまいます。
新しい診療技術、新たな活動を模索する必要があります。

また、見落としがちなのは、そうなったときに、収入を増やすように目がいってしまいます。
しかし、収益が減ったのであれば、同じような材料を購入したり、同じような人配置を続けていないか、というコスト、人員配置面も確認しておきたいですね。

収入が減ったのであれば、減らさなければいけないものもある。
その変化の必要性の可視化、考えるきっかけが数値の見える化です。

茹で蛙、という言葉、ご存知でしょうか?


状況は変わっていても、その温度の変化に気づかずに、いつの間にか茹でられてしまう死んでしまう蛙の話です。
そうならないように数字をフォローし、件数が減ってきているのであれば別の方策を考える。
増えているのであれば負担感は問題ないか確認する。
現状通りで良いのか、大きく変えないといけないのか、確認する。

これは手術に限らず大事です。
たた、特に影響が大きい手術という項目について、診療科別の状況や手技ごとの状況はしっかり確認しておきたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)