【1421】社会医療診療行為別統計から見る経営分析

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~

1421日目。医療経営の森より、中神がお届けします(^_^)

しばらく医療経営士の試験対策も兼ねて、長英一郎さん作成の医療経営士1級の予想問題集より学びをシェアします。

(こちらは旧年度版です。最新版は、以下からどうぞ。)

今日のテーマは「社会医療診療行為別統計」について。

こちらは、1レセプト入院日数や、診療区分別の単価について、病院機能やクリニックごとに分けられた興味深い資料です。

まず、一件あたりの入院日数です。

こちらを見ると、病院全体で見ると15.9日。
クリニックは、9.4日ということで短いですね。

病院といっても、急性期、回復期、療養型など、その機能によって、入院の長さは変わります。
「社会医療診療行為別統計」における病院の内訳は、特定機能病院、精神科病院、療養病床を有する病院、一般病院です。

その中で、特定機能病院は、10.7日と、さらに短いです。
精神科病院は、28.4日。
療養病床を有する病院は、21.2日です。
クリニックは、9.4日と短いです。
クリニックは、入院期間が長くなると、顕著に診療報酬の点数が下がるので、その影響もありそうです。
これら病院全体の平均が15.9日ですから、平均値だけで考えると見誤る良い事例です。

次は、診療区分別の単価です。

その一例として、リハビリテーション料が取り上げられていました。
興味深いのは、療養病床を有する病院が最もリハビリテーションに関する単価が高い点です。
回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を有していることが要因として考えられる、とのことです。

次に手術の区分です。この区分が高くなるのが、特定機能病院ですね。
高度な手術をすることが多いので、この区分が高くなることは分かります。
また、クリニックも、全体に対する手術の割合が高くなっています。
白内障の手術などが、その要因になりそうです。

最後に、入院料・DPCです。DPCは、クリニックや精神科病院は対象外になります。
「特定機能病院」での診断群分類の単価は、36,000円。
「一般病院」での診断群分類での単価は、23,000円。
実に、13,000円の開きがあります(入院料等の出来高の方で12,000円分あり)。
一般病院では、まだまだ出来高の病院が多いということが言えそうです。

それぞれの役割や機能に応じて算定できる点数設定は違います。
それらが色濃く、診療単価に現れます。
自分の病院の状況と他院の状況を比較することでズレを認識できます。
その良い材料になるのが、社会医療診療行為別になりますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)