【1425】自法人の「人・物・金」という資産を把握をしているか?

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~

中神勇輝です!

1425日目。医療経営の森より、日々の学びや気づきをお知らせします(^_^)

しばらく医療経営士の試験対策も兼ねて、長英一郎さん作成の医療経営士1級の予想問題集より学びをシェアします。

(こちらは旧年度版です。最新版は、以下からどうぞ。)

今日のテーマは「財務諸表分析」。

財務三表、ご存知でしょうか。

病院経営戦略を考える上で、大事な「人・物・金」という資産をどれだけ持っているか。
それを数値で捉えるもの、と言えるでしょう。

・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書

この3つですね。

◆貸借対照表

主に、「金」と「物」の資産を表していますね。
現金だったり、商品だったり、建物だったり、設備だったり、流動資産・固定資産に分けられます。

また、負債という視点もあります。
分かりやすいものは、短期借入金や長期借入金です。銀行から借り入れますね。

資産から負債を引くと、純資産です。
貯金みたいなものです。
この貯金があるかどうかは、その組織の力の1つとも言えます。

貯金が無い家庭は、危なっかしいですよね、
安定性が低いともいいます。
自己資本比率が低すぎるのは考えものです。

◆損益駅計算書

収益から費用を引いて残ったものが利益、という話です。
その計算書類です。

利益といっても、色々あります。
営業利益、経常利益、当期純利益など。
変動費のみを考慮した限界利益、という考え方もあります。

費用は、人件費、薬剤費、材料費、水道光熱費、委託費、消耗品費、水道光熱費、減価償却費など、色々です。

経常損益が赤字だと大問題です。早急に手を打ちましょう。

◆キャッシュフロー計算書

現金があるかないか、です。

3つの観点から言われます。

営業活動によるキャッシュフローと、
投資活動によるキャッシュフローと、
財務活動によるキャッシュフロー。

この3つです。

営業活動がマイナスとなると、これは問題です。
プラスになるように手を打ちましょう。

投資活動は、マイナスになることは有り得ます。
建物、設備を整備すれば、お金は出ていきます。マイナスになります。
プラスになっているとすれば、資産を売ってお金を作っている、ということにもなります。
よくあるのは、営業活動によってキャッシュが小さい、
資金繰り改善のため、持っている資産を売る、ということ。
これが続くのは避けたいところです。

財務活動は、借入金の増減が主です。
財務活動によるキャッシュがプラスであれば、借り入れた、
マイナスになったということは、借金を返した、ということです。

◆問題集の内容を通して

流動比率が低いとは何か。
現金や、現金への換金が行いやすい資産を流動資産といいますが、その資産と比較して、負債が多い、という状態です。
安全性が低い、と言えます。
自己資本比率も同様です。純資産、言い換えると貯金が少ない、これは不安です。

損益計算書では、人件費率です。これが高すぎるのも問題です。
いざ収益が下がった時に、人件費の多くは固定費として支払わなければなりませんので、危険です。
固定費が多い業界は、このあたりの対応に苦慮しますね、

「当期純損失」と「減価償却費」の考え方も面白いです、
当期純損失が1億4800万円。マイナスです。これはダメです。
減価償却費という、実際にお金が出ていっていない書類上の費用もあります。
これを考慮してプラスに転じれば、まだマシと言えます。
しかし、それを考慮しても、マイナスだと・・・危険、という話ですね。

キャッシュフローでは、業務(営業)キャッシュフローや、財務キャッシュフローのことが問われています。
営業キャッシュフローでマイナスの部分を、短期借入金で賄っている、という事例でした。
よく聞く「運転資金」という感じですね。
また、最低限確保しておきたい現金は、「2ヶ月分の収益」とのこと。
何かトラブルが起きて、収益が「0」になっても「保つ」体制です。
自院は大丈夫か確認しておきたいですね。

◆終わりに

財務諸表。病院では触れる機会がなかなかない人も多いですが、
一般企業では当然のように知られている事ですので、認識にのせておきたい内容ですね。


以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)