【1430】病棟再編が求められる理由は何か

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~

中神勇輝です!

1430日目。「病院経営の理論と実践」より、日々の学びや気づきをお知らせします(^_^)

しばらく医療経営士の試験対策も兼ねて、長英一郎さん作成の医療経営士1級の予想問題集より学びをシェアします。

(こちらは旧年度版です。最新版は、以下からどうぞ。)

今日のテーマは「病棟再編が求められる理由は何か」ということについてです。

一つめは、域医療構想です!

大きな理由ですよね。

急性期病床や療養病床が多い、リハビリ病床が少ない、ということは全国的に言われています。
所属されている医療機関、都道府県・地域ごとで、求められるものは違います。
共通するものの一例としては、療養型であれば医療区分1は在宅へ、素泊まり入院も同じく在宅へ、という流れしょう。
在宅診療が推進されていますよね。

地域医療構想の視点では、「機能分化」と「在宅への移行」はポイントです。

「在宅病棟」という面白い考え方もあります。
在宅を1つのベッドと捉えて、ICT化を行い、医療従事者が関わることによって、在宅で医療を提供できる仕組みを作ること。
なかなか大変ですが、今後、そんな仕組みがますます求められるでしょう。

次は、診療報酬改定!

これも大きいですよね。
急性期を減らす、というメッセージがますます強くなっています。
心電図モニターを必要度の対象項目から外すなど、重症度・医療看護必要度の厳格化も進んでいます。

また、大病院の地域包括ケア病棟も制限かかってきています。
同じような機能を維持できない医療機関もとても多いと思います。

救急患者は、急性期の病院へ。
急性期後、リハビリは、リハビリの病院へ。
医療区分の見直しによって、医療必要度の高い人工呼吸器や気管切開の患者さんも療養型の病院で入院可能です。
地域の状況に合わせて、機能の見直しが求められます。

最後は、院内事情です!

改定とも絡みますが、基本、診療報酬はマイナスに向かいます。
増収要素が減っていくのは目に見えています。
経営悪化し、病床機能の転換が求められます。
急性期病棟を維持するのか、包括域包括ケア病棟なのか、転換の可能性を考える必要があります。

ただ、2022年度の診療報酬改定で感じるのは、
「大病院は地域包括ケア病棟を持つな!」、
「経営的な要素で病棟を選択するな!」というメッセージです。

国自体も苦悩しながら、各病院はなお苦悩する、そんな状況になってきています。

今後、目先の診療報酬改定、経営危機への対応だけで生き残ることは難しいでしょう。
先を見越して、地域が何を求めているのか考え、応えていく体制を作ることが、今後、求められていることを実感します。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)