【理論と実践】利益が出ても、資金が不足って?
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令和4年10月30日 病院経営の理論と実践 1631号
■利益が出ても、資金が不足って?
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
昨日の続きです。
書類上の利益が出ていても、借入金が多くて、資金不足になってしまうことがあります。
また、診療報酬のお金は、レセプトを請求して、その2ヶ月後にお金が入ってくるので時間差の入金です。
売り上げが上がる、その分、費用の支払いが増える、しかしお金が入ってくるのが遅い、
となると、お金が不足することもあり得ます。
資金がないと、職員に給料が払えません。取引先にお金を払えません。
よって、書類上の利益が出ていれば、それで安心、ということにはなりません。
では、この利益とは別枠で計算される「借入金」という概念は、どこに隠れているのでしょうか?
それが、貸借対照表、ですね。
貸借対照表はストック。
ストックは、過去から現在に至った、「ある一時点」(令和3年度の年度末時点)の資産の貯蔵。
貸借対照表の項目は、大きく、資産・負債・純資産の3つに分かれます。
その「負債」の部分に該当するのが、借入金、ですね。
ちなみに、
・資産は、現金、商品、建物、機械など。
有形・無形の事業活動に使用する資産です。
・負債は、借入金など。
事業に必要な資金を他人から調達します(返済義務あり)。
・純資産は、資本金など。
自分で調達します(株主からの調達)。
です。
借入金には、長期借入金と短期借入金があります。
長期借入金は、建物や医療機器の購入時に調達される方法です。
この返済金が多すぎると、ボディブローのように経営を圧迫します。
利子もバカになりません。
利子は、現状、持ち得ない資金を借りるために必要な経費と言えます。
高額な買い物を今するべきか、機会損失にならないか、という観点が大事でしょう。
後に回して良いものなら、あえて高額な利子を払って、投資する必要もないです。
利子も踏まえて、費用対効果があるのか、という視点が必要です。
短期借入金は、その名の通り、一時的な資金不足を補うための借入、と言えるでしょう。
支払いが一時的に滞りそうだが、近い将来、お金が入ってくる予定があるので、
それまでの「つなぎ」として借りるようなものです。
これらのやりとりは、損益計算書には出てきません。
(利息の支払いという概念はありますが)
事業活動そのものというより、事業活動を支える資金元という概念です。
利益が出たら、その分、しっかりお金を返していくことが大事ですね。
ちなみに、以前から何度か出てきている「減価償却費」は、実際には、お金が出て行かない書類上の費用です。
減価償却費分は、お金が手元に残っている、と考えて良いです。
その減価償却費分(建物や医療機器のコスト)を返済金に充てることができる、
といっても良いかもしれませんね。
明日は、その辺りに触れてみたいと思います。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)