【理論と実践】中小企業経営者に関する特徴

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令和5年1月1日 病院経営の理論と実践 1694号

■中小企業経営者に関する特徴

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

年明けまして令和5年です。皆様、今年もよろしくお願いいたします。

最近は、中小企業白書を通して、医療・介護業界を知る、という進め方をしています。

今日は、「中小企業経営者の経営力を高める取り組み」の2回目です。

「中小企業経営者に関する特徴」についてです。

●経営者に就任した年齢

「創業者」は、
30 代以下が6割超と若い年代で経営者に就任。

「内部昇格」 や「親会社や取引先からの派遣・招へい、買収、 その他」では、
50代以上で経営者に就任する割合が高い。

とあります。

若くして事業を立ち上げる人、
内部で成長した人、外部である程度の実績を出してきた人はある程度、
年齢が高いことが分かりますね。

病院業界でも院長・副院長になるのは、ある程度の年齢に達してからでしょう。

ただ、これも病院規模によって異なります。
新規の医療機関、小規模の医療機関であれば、若くして院長・事務長といった人たちもいます。

大きいグループであれば、グループ内で若い段階から経験を積ませ、力をつけさせることもできます。
グループの強みと言えるでしょう。

しかし、仮に小さな医療機関でも
組織体制の工夫・改革の本気度次第でどうにかできるのでは、と思います。
と思いますが・・・、実行が大変ですけどね。

●経営者に就任する前の他社経験について

「同族承継」や「内部昇格」は、
他社企業での勤務経験がない経営者の割合が比較的高い。

「創業者」や「親会社や取引先からの派遣・招へい、買収、その他」では、
他社企業で勤務経験がある者が9割超と高い。

とあります。

「叩き上げ」という言葉を感じる結果でした。

ある程度、社会経験を踏まえて独立したのが「創業者」ということはありますよね。
会社員として働いた経験が、会社を経営する上でも役に立つでしょう。
色々な仕事を経験しておくことで、視点も広がります。
ただ、たとえ外部の経験がなくても横断的な組織を作ることで人は育つ、と思いますね。

●経営者就任の目的

「創業者」では、
「自己実現のため」や「自分の裁量で自由に仕事をするため」が上位となっている。

「同族承継」や「内部昇格」では、
「従業員の雇用や取引先との関係を維持するため」や「会社の歴史を守るため」が上位。

これまでの企業活動を次世代につなぐ動機が上位となっている。

「親会社や取引先からの派遣・招へい、買収、その他」では、
「自身の知識や経験をいかすため」が最も高い。

とあります。

同じ経営者といっても、その就任の経緯を見ると、目的は違いますね。

・自己実現
・自分の裁量による仕事選択
・雇用の維持や取引先との関係維持
・自分の強みを活かす

などが紹介されていました。
これを見ると、経営者だけでなく、中間層、一般層であっても、それぞれが持っていそうな働く目的、とも言えます。
それぞれの目的が、社会貢献につながっていることが大事、と思います。

●経営者就任時の動機と現在会社を経営する動機の違い

経営者としてのキャリアを重ねる中で、
従業員や取引先といったステークホル ダーや社会に対する意識が高まっている。
5年前について見ると、経営者の年齢に関わらず、「内部留保」が3割超となっている。
一方で、現在は、年齢が若い経営者を始めとして「内部留保」の割合が低下、
いずれの年齢においても、「従業員に還元」の割合が3割程度。

とあります。

経営の動機が、就任当時と、5年後でどう変わっているか、興味深い内容でした。
意識が「従業員や取引先といったステークホル ダーや社会」に向いています。
製品・サービス志向から、顧客志向への移行を感じます。

●利益の主な使い道

「研究開発」や「設備投資」、「従業員に還元」としている企業では、
売上高増加率が相対的に高く、こうした投資行動が企業の成長につながっている。
一方で、「内部留保」としている企業では、売上高増加率が相対的に低いことが分かる。

とあります。

利益の使い方と、売上高増加率との関係性は大事ですね。
研究・設備・人材への投資をしたかどうかで、企業として成長するかどうか分かれます。
病院であれば、どうでしょうか。
人材・組織への投資が極めて重要と感じます。
医療といえば、人を通してのサービス業です。
人の成長がなければ、病院としての成長は有り得ませんね。

●経営者がマネジメントに使う時間

規模の大きい企業ほど経営者が経営・マネジメント業務に充てる時間が長い傾向にある。
従業員規模が 20人以下の企業では、
経営・マネジメント業務の比率が3割未満となっている経営者が2割超存在。
経営・マネジメント業務に充てる時間を十分に確保できていない。
経営者の経営・マネジメ ント業務の比率が6割以上である企業では、
相対的に売上高増加率が高いことが分かる。

とあります。

マネジメント業務に集中できるかどうか。
規模による違いがあるにしても、経営者はトップマネジメントに集中することで、
企業・病院としての成長が分かれます。

とはいえ、経営者がマネジメントに集中できる体制を作ることは簡単ではありません。
1人では限界があります。
その一つが経営参謀となりうる部署の整備・人材の育成と言えるでしょう。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。