【理論と実践】環境を考える企業の現状は厳しい
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令和5年1月5日 病院経営の理論と実践 1698号
■環境を考える企業の現状は厳しい
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
最近は、中小企業白書を通して、医療・介護業界を知る、という進め方をしています。
今日は、「共通価値としての「脱炭素化」と「ビジネスと人権」への対応」
のうち、「脱炭素化」です。
医療・介護は、工場を持っている訳でもなく、人によるサービスがメインです。
よって、あまりピンときません。
ただ、建物、水道光熱、医療材料等の使用を考えれば、環境への負荷もあります。
それを踏まえて見ていきたいですね。
●環境への意識向上
カーボンニュートラル目標を表明する国や地域が増加している。
(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)
(1)温室効果ガスの把握状況
・温室効果ガスの排出量の把握状況
把握している企業の割合 は 16.5%となっている。
その一方で、「今後実施する予定はない」と回答した企業の割合が5割を超える。
中小企業において自社の排出する温室効果ガスの排出量の把握自体が進んでいない。
建設業や製造業、運輸・郵便業において、
既に実施している又は今後実施する方針の企 業の割合が高くなっている。
とあります。
そもそも自分たちがどの程度の温室効果ガスを排出しているかを把握していない企業が多い、とのこと。
そういえば、私も、自分の病院が、どの程度、排出しているか、知らないです。
理由は、後で出てくる内容で「自社の排出量は少ないと思うため」というのが大きい、と思いますね。
(2)脱炭素化に向けた取り組み
(温室効果ガスである二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること)
・既に脱炭素化に向けた取り組みを実施している企業の割合は17.4%。
従業員規模の大きい企業ほど脱炭素化の取り組みを実施している企業の割合が高い。
・取り組みの方法は、
「エネルギー効率の高い機器・設備の導入」の回答割合(73%)が 最も高い。
次いで「太陽光発電設備の設置」、「電化の促進」、「使用エネルギーの見える化」の回答割合が高くなっている。
・取り組みを実施していない理由
「自社の排出量は少ないと思うため」の 回答割合(62%)が最も高い。
次いで「取引先からの要請がないため」の回答割合が高い。
脱炭素化の取り組みを今後実施する予定のない企業の 93%は、
自社の排出量自体を把握した上で少ないと判断しているわけではない。
・どうなれば取り組みを前向きに検討するか
「顧客からの評価向上」の回答割合(43%)が最も高くなっている。
次いで 「コストカット」の回答割合が高い。
・脱炭素化を進めることによる効果
「光熱費・燃料費の低減」の割合(70%)が最も高い。
次いで「市場での競争力の強化」の割合が高くなっている。
前提となる温室効果ガス排出量の把握から十分に進んでいないのが現状。
早い段階から脱炭素化に取り組むことで、他社との差別化につながり、
新たな販路開拓や企業の知名度アップなどの効果も期待できるといえよう。
とあります。
脱炭素化の取り組みは、進んでいません。
なぜか?
自分たちの二酸化炭素の排出量を把握していないから(少ないと思っているから)、ですね。
どうすれば、するようになるのか?
顧客からの評価向上、コストカットなど、が得られればしたい、ということです。
逆説的な内容のように思いますが、脱炭素化の効果として、光熱費や燃料費の低減が見られます。
そして、市場での競争力も高まる、ということで、実は取り組むことで経済効果もある、ということですね。
目先の支出に目を奪われがちですが、少し遠い未来を見据えて考える重要性を示唆されているように思います。
医療介護業界も、先10年で大きく変わります。
少し先を見越して、今の最善手を打ちたい、と思いますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。