【理論と実践】法定福利費(介護職員処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算)

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~

ご友人等へのメルマガ紹介はこちらから。
https://www.mag2.com/m/0001682907
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
令和5年4月15日 病院経営の理論と実践 1798号

■介護職員処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算と法定福利費

中神勇輝(なかがみゆうき)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

昨日の続きです。
介護職員処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算に関連して、法定福利費を確認します。

【法定福利費】

法定福利費は、ざっと、以下の通りです。

・健康保険料
・介護保険料
・厚生年金保険料
・子ども・子育て拠出金
・雇用保険料
・労災保険料

加算によって増額した給与によって事業所が負担する法定福利費も増えます。
その増えた分は、職員への支給額に加えても良い、ということです。
よって、どんな項目があるか理解する必要があります。

法定福利費には、従業員が半分ずつ負担するものと、事業所が全額負担するものなど、違いがあります。

法定福利費を計算する際に重要な言葉に、「標準報酬月額」という言葉があります。

「標準報酬月額」は、以下の項目を計算する時に使います。

・健康保険料
・介護保険料
・厚生年金保険料
・子ども・子育て拠出金

では、「標準報酬月額」とは何でしょうか?

下記サイトの内容を引用します。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3165/1962-231/
(協会けんぽ)

・標準報酬月額・標準賞与額とは、

健康保険・厚生年金保険では、被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を
区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と税引前の賞与総額から千円未満を切り捨てた標準賞与額を設定し、
保険料の額や保険給付の額を計算します。
健康保険制度の標準報酬月額は、健康保険は第1級の5万8千円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。

・報酬の範囲とは、

標準報酬の対象となる報酬は、基本給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、
残業手当等、労働の対償として事業所から現金又は現物で支給されるものを指します。

以上が引用です。(一部略)

実際の給与でなく、一定の幅ごとに、職員の給与をあてはめていきます。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r05/r5ryougakuhyou3gatukara/
(参考:令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表)

では、なぜ標準報酬月額を設定するのか、考えてみましょう。

実際の給与は毎月、変動します。
変動する給与に対し、率で計算する場合、毎月、保険料が変わることになります。
計算がたいへん煩雑になりますよね。

それを避けるために、固定の額を設定し、毎月の計算を簡単にします。

では、ずっと一緒なのか、というと、そうではありません。

定時改定があります。
これは、4月5月6月に支給された給与の平均額によって計算されるものです。

3か月分の給与の平均が、265,000円だった場合は、「等級」20となり、標準報酬月額は260,000円になります。
この260,000円に対し、決められた率を掛け算し、下記の保険料が計算されます。

・健康保険料
・介護保険料
・厚生年金保険料
・子ども・子育て拠出金

よって、4月から6月にかけて、残業が多いと、保険料の負担が大きくなる可能性がありますので、要注意です。

上記期間以外でも、臨時改定といって、役職変更、大きな額の手当の増減などで、等級が変わることもあります。
その幅の違いが2等級以上の変更の場合に、標準報酬月額が変わり、健康保険料なども変わります。

ちなみに、健康保険料や介護保険料は、協会けんぽの場合、県によって異なりますので、確認が必要です。
厚生年金は、全国共通です。
上記は、従業員と事業所で折半しますが、子ども・子育て拠出金は、全額事業主が負担します。

その他も確認してみましょう。

以下の項目は、標準報酬月額でなく、実際の給与で計算します。

・雇用保険

従業員と事業所の負担割合は異なりますので、要注意です。

・労災保険料は、全額、事業主が負担します。
労災保険の率は、年度によって違います。
理由は、メリット収支率(労災が起きやすいか、そうでないか)で、毎年変わるためです。

以上が、法定福利費のざっくりした概要です。

上記、法定福利費と職員に支給している手当の額が、
国からの支払額(加算額)を超えていればOKという話です。

以上です。さらなる詳細の内容は機会があれば(私の学びがさらに深まれば)シェアします。

では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。

◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/  (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/  (紹介)

◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/

◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A

この記事を書いたのは、こんな人。
ーーーーーーーーーーーーーーー
地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。