【理論と実践】医療経営士1級試験対策(働き方改革と人的資源管理 )

2023年8月22日

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
ご友人等へのメルマガ紹介はこちらから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
令和5年8月16日 病院経営の理論と実践 1921号
■働き方改革と人的資源管理(HRM)
中神勇輝(なかがみゆうき)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日の内容は、
「働き方改革と人的資源管理(HRM)」
について。
 さて、試験まで、18日(今日を入れて)です。
知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。

【働き方改革と人的資源管理】

働き方改革という言葉が普及して久しいです。
さて、そもそも自分たちの働き方が適正なのかどうか、分かっているでしょうか?
なんとなく忙しい、という認識では、適切な対応はできないでしょう。
そこで大事になってくるのは、現状把握です。
自法人にとって適切な人事制度が構築されているでしょうか。
給与体系の見直しも重要です。
物価が上がる中、給与の低い業界で働きたい、と思うでしょうか。

【見える化と、人材採用】

まず、手始めに必要なのは、ICカードやタイムカード等による労働時間の見える化・管理です。

36協定を超える時間外残業の有無を確認するのも一つです。
働き方改革といえば、最近では医師が注目されています。
どのような業務をしているのか、中身を確認することで、対策が思いつきます。
例えば、タスクシフトの可能性として、
・書類作成は、クラークに
・患者説明は、看護師に
・患者移動は、看護助手に、
・特定行為看護師の育成・包括的指示を出す
といったことも考えられます。

そもそもの労働時間の短縮策・軽減策として、

・患者を、複数主治医制で担当する
・勤務時間であれば、IC(インフォームドコンセント)などの対応を時間内に行う
・当直明けには、手術をしない
などがあります。
ただ、タスクシフトといっても、医療・介護業界も人材不足です。
例えば、病院の看護補助者の採用が困難になっています。
その背景として、
・そもそも人材不足
・介護事業所の処遇改善
・他事業の給与引き上げ
などがあります。

採用が困難な状況に対する対策例は以下の通りです。

1)採用強化
・紹介制度(友人など、リファラル採用)
 (紹介会社はコストが高いため、避けたい)
・(家族等の)外国人や技能実習生
・採用ページの強化
2)離職防止
・処遇改善の話し合い・面談・ヒアリングといった機会を作る
・転職希望者への病院への病院勤務と施設勤務の違いの説明
 業務内容や業務負担の違いを知った上での転職希望かの確認
3)採用の原資の確保
 採用・配置による加算取得による増収シミュレーション
 人員増による看護師負担の軽減、それに伴う稼働率アップの向上の試算・現場への打診
といったことが考えられます。

【基盤となる人事制度】

医療介護業界における人事制度の状況を確認してみましょう。
よく言われる特徴に、「新卒一括採用・長期勤続といった慣習がない」ということがあります。
また、慢性的な人材不足です。
これらを踏まえて、どのような手法が考えられるでしょうか。
採用から育成活用までトータルで見据えた仕組みを作る必要があります。
3パターンで考えてみます。

1)能力主義

  中途採用者を評価できます。
  ただ、長期勤続を行うメリットが感じられなくなる可能性があります。
  並行して、長期勤続ならではの特典(制度設計)を準備することで解消するかもしれません。
  (10年ごとの旅行プレゼント、永年勤続賞など)

2)年功序列

  年功的な処遇で法人への帰属意識を高めることができますが、
  中途入職者が入りにくい、評価されにくい、というデメリットがあります。
  臨時の特別枠の設定をすることで、対応します。

3)成果・業績主義

  行動のインセンティブを高めることができます。
 いずれにしても一つなく、複数の考え方を評価に取り入れることで、
 弱点を補い合い、その組織ならではの制度が構築できると思います。

【まとめ】

医療介護業界の現状と、採用や人事制度の概要を確認しました。
今後、人手不足がますます深刻化していきます。
医療介護業界は、DX化やICT化で効率化できる部分もあるとはいえ、どうあっても人手が必要です。
高齢化に伴い、医療介護需要が増加する中、供給側が少なくては、日本の医療・介護は崩壊します。
魅力ある職場、人事制度を作るために必要なことは何でしょうか?
何といっても、地域に愛される(地域・患者・ステークホルダーの声を聞いて、応える)ことです。
そのために、どんな組織を作りたいのか?
どんな職場なら、どんな人事制度なら、実現できるのか?
現状分析、課題の抽出、解決策の実行、振り返りが基本の流れです。
問題を一つ一つ掘り下げていき、解決していくことで、
職員が気持ちよく働けて、患者さんも喜ぶ、そんな医療機関を目指したものです。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。

◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)

https://hcmi-s.net/weblesson-hcm/jmp_consult_01/  (講座)
https://healthcare-mgt.com/article/iryo/jmp_consulting01/  (紹介)

◇過去の内容、記事はこちらから是非(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/

◇試験勉強や本の学びをアウトプットしているYouTubeチャンネルは、こちらです(^-^)
https://youtube.com/channel/UC_PiglYG9qTBjlJ3jt3161A

この記事を書いたのは、こんな人。
ーーーーーーーーーーーーーーー
地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。