【理論と実践】医療経営士1級試験対策(急性期病床が過剰である弊害と対応)

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令和5年9月1日 病院経営の理論と実践 1937号

■急性期病床が過剰である弊害と対応

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

本日の内容は、

「急性期病床が過剰である弊害と対応」

について。

さて、試験まで、2日(今日を入れて)です。

知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。

【問い】

日本には急性期病床が過剰であると言われます。
その弊害と対応について、考えてみましょう。

【弊害】

まず弊害について4つの視点で考えてみます。

1、急性期の入院料は、診療報酬の点数設定が高く、医療費が高くなる

つまり社会保障費の負担が増える、ということです。
少子高齢化で税収が減っていく中で、国民皆保険制度の維持への影響が出てきます。

2、急性期病床は、人員配置が手厚い

手厚い配置が施設基準で求められています。

その結果、急性期病床を持つ病院に、人材が囲い込まれる、という事態を引き起こします。
そこまで人員を必要としない病床に、人員が配置される可能性があります。

3、急性期の対象外の患者の入院

病床を埋めるために、サブアキュートといった地域包括ケア病棟の対象となるような患者が
急性期に入院している可能性があります。

つまり、地域の病床ニーズに不合致している、不適切な入院を生む可能性があります。

4、コロナ感染等の有事に、医療資源の分散のため、患者を受け入れられず、医療崩壊を生む

日本は、ベッド数は多いですが、1ベッドあたり医療従事者が少ないと言われます。
その結果、ベッドはあるものの人手不足のため、コロナ患者を受け入れることができず、
一部の基幹病院に患者が集中し、病床逼迫を生んだとも言えます。

急性期には人手が必要です。
しかし、薄く広く急性期病床があることにより、人員が分散してしまっている、
という弊害と言えるでしょう。

【対応】

次に、対応について考えてみましょう。

1、自院を取り巻く環境を可視化する

病床利用率の低い病床はあるでしょうか。
疾患構成の影響で、医療重症度・看護必要度が低い病床はあるでしょうか。

もし病床が空いている、基準を満たしていない場合は、
地域のニーズと合致していない可能性があります。

その可能性から目を背けることなく、直視することがスタートです。

将来、人口構成が変わってから、患者数が減ってからでは遅きに失します。
ベッドもある、人手もある、しかし、対象の患者がいないとなってからの対応では生き残れません。

2、地域のニーズを知り、自院を外部環境の変化に合わせて変化させていく

今後、高齢化に伴い、かかりつけ医機能や在宅診療が医療の中心となっていくでしょう。
そういった中で、在宅に力を入れていくのは一つの方向性です。

地域にとって、必要な医療資源を整備していくことを、方針とし、
ビジョンを掲げて進んでいくことで、地域や職員の共感を得られます。

それがブランディングにもつながっていきます。

3、DX化

今後、地域とつながっていくにしても、在宅診療に力を入れていくにしても、
情報共有、効率的な診療体制の構築は必須です。

特に在宅は、病院と異なり、一軒一軒、診療に回る必要があります。
つまり、非効率になりがちです。
人手不足になっていく中、その非効率に対応していく必要がある、ということです。

4、ビジョンを明確にし、特化した人材を集める

例えば、在宅診療に力を入れていく、というビジョンに訴求し、
採用を強化していくことも必要です。
総合診療医といった「専門医制度」と絡めて、体制を整備していきたいものです。

【終わりに】

まとめます。

現状を直視し、変化すべき姿を明確にし、環境を整え、地域に貢献していくことを念頭に置き、
活動していきたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。