【理論と実践】令和5年度の中小企業診断士「口述試験」に向けて(事例1組織人事)

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令和6年1月15日 病院経営の理論と実践 2073号

■令和5年度の中小企業診断士「口述試験」に向けて(事例1組織人事)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

無事、2次試験の記述試験を突破し、次は口述試験です。

口述試験前に、事例を振り返っていきたいと思います。
今日は事例1の概要について、自分なりに整理しました。

【概要】

事例企業は、蕎麦屋です。

後継者不在によって他社から企業統合の話があり、その企業統合によって生じた課題である、
事例企業と買収先企業とのオペレーション・組織風土の違いをいかに解消するか、です。

買収先の後継者不足、顧客の高齢化など、現代の課題を感じさせる内容です。

【成長期】

まずは、序盤の「成長期」を確認します。

郊外に、蕎麦屋で開業しました。
その地域は、当初は閑散としたエリアでした。

メニューは、コシの強い蕎麦が人気!です。強みですね。
競合も少なく、顧客のニーズに合わせてメニューを増やし、成長していきます。

さらに、周辺の宅地化で拡大路線に転換します。
設備も増強、人員も増員していきます。

【逆境期】

しかし、逆境期に入ります。

競合が現れます。
さらには、重要なポジションを担う正職員が独立するなど、
一時期は、経営者とアルバイトだけで運営をする状況になり、
サービスの質の低下を招く時期がありました。

【改善期】

そして、改善期に入ります。

現経営者が入社し、方向転換します。

例えば、元々の強みであった蕎麦!への集中戦略ですね。
メニューの変更、出前の廃止といった取り組みを行いました。

しかし、まだまだ課題はたくさんあります。
スタッフの業務負荷が大きく、離職が続いていました。
メニュー開発力が弱く、効率重視でサービスの質が悪いままです。

さて、A社の現経営者は、これらの課題を解決すべく、
先代経営者と比べてどのような戦路上の差別化を行ってきたでしょうか、
その狙いは何でしょうか。

これらの課題を解決すべく実施したことは、ファミリー層にターゲットを絞り込んだことです。
また、席数を縮小し、ボックス席などへ変更や、
オリジナルメニューでの差別化、価格の引き上げなどを行いました。

組織改善においても、
正社員を採用し、厨房では、リーダーを配置して育成体制を強化し、
接客においてもお互いに助け合う組織風土を作ることができました。

アルバイトが多い点については、給与をある程度押さえられることや、
繁閑に応じた雇用調整ができることがメリットと言えます。

ちなみに、管理リーダーは、経営者の妻です。

ここで、家族経営について確認しておきましょう。

メリットは、意思決定が速いことや買収のリスクが低いこと、早期の後継者の育成を行えることです。
従業員の育成については、権限委譲による部門運営の実施や、
OJTや知識伝授等による引き継ぎなどが考えられます。
デメリットは、経営者の独裁が生じる可能性が起こること、
後継者の不在や、能力が低い場合に業績が落ちる可能性があることです。

今も残る課題として、仕入れの対応は厳しい状況です。
仕入れ先の高齢化が影響しています。
さらには、顧客の高齢化も発生し、新規顧客の確保が課題になっています。

【転換期】

最後、転換期です。

同じのれん分けをしていた近隣(駅近)の蕎麦屋(X社)から、
高齢・後継者不在のため、事業譲渡したい、との提案を受けました。

新たな顧客開発に良い機会と思いますが、課題もあります。

X社は、客単価が安く、効率重視で、サービスの質も悪い状況です。
また、横のつながりも希薄で、従業員同士で助け合う風土がありません。
駅周辺という好立地ですが、競合が多く、売り上げが減少傾向です。
少ない人数で業務を回すため、業務負荷が多く、アルバイトもすぐやめてしまいます。

A社とX社とでは、組織風土、客層、客単価、オペレーションなどの違いがあります。

そんな中、経営統合後のX社のスタッフの不安を解消することや、
外国人観光客や若者の増加による食べ歩きといったニーズを取り込めるか?
ということが課題になっている、と締められていました。

経営者が変わることは大きな不安です。

目標や方向性についてトップから説明をして意思を統一することや、
A社とX社の店舗間での人材交流、マニュアルの整備・教育について、
段階的に進めていくことで、不安を解消していきたいですね。

また、新規事業を展開するにあたって、ニーズがあるのか、他社の動きはどうか、
などの外部環境分析は必須ですね。

X社の立地を生かしつつ、
外国人観光客や若者の増加による食べ歩きといったニーズを掴んでいくことが求められます。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の記述試験は突破、次は口述試験。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。