【理論と実践】電子カルテ情報共有サービスにおける医療機関及び保険者に共有する健診内容(案)(令和6年度診療報酬改定)

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令和6年3月26日 病院経営の理論と実践 2144号

■電子カルテ情報共有サービスにおける医療機関及び保険者に共有する健診内容(案)(令和6年度診療報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【本日の項目】

電子カルテ情報共有サービスにおける
医療機関及び保険者に共有する健診内容(案)について確認します。

○電子カルテ情報共有サービスにおいて、医療機関に共有し、
マイナポで閲覧できる健診項目については、各健診に関する法令等で必須とされている項目を基本とする。

○保険者に共有する項目については、以下のとおりとする。
・保険者が実施する健診は、項目の絞り込みは行わず、当該健診結果を保険者に共有する
・事業者が実施する健診は、特定健診に関する項目に絞って、保険者に共有する。

○人間ドック等のその他の健診については、実施主体にかかわらず、
医療機関及び保険者に共有することについての本人の 同意を問診票で取得することとし、
同意を取得できた場合にのみ、共有する。 その場合にも、
・医療機関での共有・マイナポでの閲覧の対象となる項目は、特定健診・事業主健診の必須項目を基本とし、
・保険者には、特定健診の項目のみを共有することとする。

○対象となる健診項目(案)

■診察
既往歴 服薬歴・喫煙歴
業務歴
自覚症状
他覚症状
■身体計測
身長
体重
腹囲
BMI
■血圧
血圧(収縮期/拡張期)
■肝機能検査
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ‐GT(γ‐GTP)
■血中脂質検査
空腹時中性脂肪
随時中性脂肪
HDLコレステロール
LDLコレステロール(Non-HDLコレステロール)
■血糖検査
空腹時血糖
HbA1c
随時血糖
■尿検査
尿糖
尿蛋白
■血液学検査(貧血検査)
ヘマトクリット値
血色素量[ヘモグロビン値]
赤血球数
■その他
心電図
眼底検査
血清クレアチニン(eGFR)
視力
聴力
胸部エックス線検査
喀痰検査
胃の疾病及び異常の有無
■医師の判断
医師の診断(判定)
医師の意見

○・・・必須項目
□・・・医師の判断に基づき選択的に実施する項目
●・・・いずれかの項目の実施で可
※・・・必須ではないが、聴取の実施について協力依頼

など、項目によって、分けられている。

【所感】

とことん共有!という感じですね。

初診であっても、ここまでの情報が共有できれば、相当、診断の補助につながります。
そして、医療費という観点でも二重・過剰な検査はしなくなり、抑制にも動きます。

これらの改革が進めば、外来のあり方は大きく変わるでしょう。

病院に来なくても、ある程度、検査結果が揃っている、ということも期待できます。
在宅診療の推進にも繋がりそうです。

そして、これが、そう遠くない未来にやってくることを考え、
体制を考えておく必要もあると感じますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。