【理論と実践】訪問看護の連携と働き方改革、他(令和6年度介護報酬改定)

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令和6年3月31日 病院経営の理論と実践 2149号

■訪問看護の連携と働き方改革、他(令和6年度介護報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【本日の項目】

訪問看護に関係する内容について、
令和6年度介護報酬改定における改定事項をとおして、学びをシェアします。
詳しくは以下をご参照ください。

https://www.pref.toyama.jp/documents/39608/11_r6houmonkango.pdf

1、訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携の強化

・概要
【訪問介護、訪問看護★、訪問リハビリテーション★、短期入所生活介護★、短期入所療養介護★、定期巡回・随 時対応型訪問介護看護】

訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、短期入所生活介護、
短期入所療養介護及び定期巡回・随時対応型訪問介護看護において、
職員による利用者の口腔の状態の確認によって、
歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、
事業所と歯科専門職の連携の下、介護職員等による口腔衛生状態及び口腔機能の評価の実施並びに
利用者の同意の下の歯科医療機関及び介護支援専門員への情報提供
評価する新たな加算を設ける。【告示改正】

・単位数
<現行> なし
<改定後> 口腔連携強化加算 50単位/回(新設)
※1月に1回に限り算定可能

2、テレワークの取扱い

・概要【全サービス(居宅療養管理指導★を除く。)】

人員配置基準等で具体的な必要数を定めて配置を求めている職種のテレワークに関して、
個人情報を適切に管理していること、利用者の処遇に支障が生じないこと等を前提に、
取扱いの明確化を行い、職種や業務ごとに具体的な考え方を示す。【通知改正】

3、人員配置基準における両立支援への配慮

・概要【全サービス】

○介護現場において、治療と仕事の両立が可能となる環境整備を進め、
職員の離職防止・定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定について、以下の見直しを行う。
ア「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を
利用する場合に加えて、「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける
短時間勤務制度等を利用する場合にも、週 30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。
イ「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って
事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も
「1」(常勤)と扱うことを認める。 【通知改正】

4、管理者の責務及び兼務範囲の明確化

・概要【全サービス】

提供する介護サービスの質を担保しつつ、介護サービス事業所を効率的に運営する観点から、
管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、
職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化した上で、
管理者が兼務できる事業所の範囲について、管理者がその責務を果たせる場合には、
同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない旨を明確化する。【省令改正】【通知改正】

5、いわゆるローカルルールについて

・概要【全サービス】

都道府県及び市町村に対して、人員配置基準に係るいわゆるローカルルールについて、
あくまでも厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする必要があること、
事業者から説明を求められた場合には当該地域における当該ルールの必要性
説明できるようにすること等を求める。【Q&A発出】

【所感】

1、訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携の強化

歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる、という点は診療報酬でも評価されている項目ですね。
口腔の状態評価、サービス利用者の情報を歯科医療機関等の外部に提供する仕組みの構築が狙いですね。

2、テレワークの取扱い

明確に、テレワークという言葉が出てきていることに驚きを覚えました!
医療においても同様の流れが起きるでしょうから、
テレワークができる体制を構築していくことが働きやすい、選ばれる職場の1条件になっていくでしょうね。

3、人員配置基準における両立支援への配慮

育児・介護休業法等の短時間勤務制度だけでなく、
治療における短時間勤務制度等を利用する場合も、常勤として扱って良い、という対象の拡大です。
人手不足への対応の1つですね。

4、管理者の責務及び兼務範囲の明確化

今まで、管理者が兼務できる事業所の範囲は、同一敷地内における他の事業所・施設等でしたが、
体制を整えれば、範囲を拡大できます。
同じく、人手不足への対応の流れですね。
生産性の向上がますます求められます。

5、いわゆるローカルルールについて

地域ならではのルール、ありますよね。
ローカルルールがあることを前提とした文章が資料として正式に言及されていることに少し驚きを覚えました!

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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