【理論と実践】介護報酬の概要とケアマネジメント、届出等について(介護福祉経営士テキストを通して)

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令和6年4月8日 医療・介護経営の理論と実践 2157号

■介護報酬の概要とケアマネジメント、届出等について

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、医療と介護の連携は、必須ですし、
両方の知識を蓄え、森(全体)を見たうえで、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【本日の項目】

介護福祉経営士テキスト基礎編2ー2(第3版)
「介護報酬制度/介護報酬請求事務」を通しての学びをシェアします。

( 最新版は、第4版です。以下のURLが最新版の購入画面です。
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1、介護報酬の概要

まず、ステークホルダーは、利用者、保険者、事業者の3者です。

根拠法は、介護保険法ですね。
基本は1単位10円という設定ですが、
東京23区のように人件費が高い地域と同じ報酬では、適切な収入を得られません。
その地域格差を、地域区分という制度で調整しています。
診療報酬にもそういった考え方はありますが、介護報酬ほどではないですね。

全体のうち、7割から9割分を介護保険で、その残りを自己負担で支払います。

医療保険と違うのは、
要支援・要介護区分に応じた支給限度額が設定されていること、
限度額を超えた部分について、利用者の100%自己負担になる、
という点です。
また、自己負担になるものとして、食材料費等もあります。

介護保険の財源は、国や都道府県、市町村から資金が拠出され、
残りは、第一号被保険料(65歳以上)や第二号被保険料(40歳から64歳)によって捻出する仕組みです。

2、介護報酬のケアマネジメント

基本報酬と加算で構成されています。

興味深いのは、「ケアマネジメントプロセス」という制度設計です。

計画書や議事録、報告書等の記録を残していくことが介護報酬の請求の根拠です。
記録の重要性については、医療におけるカルテに似ています。
請求の根拠として記録が大事、ということは変わりませんね。

ケアマネメジメントプロセスとは、
アセスメントからのプランニング、カンファレンスを行い、計画書の完成、
実施し、モニタリング・評価・改善につなげていく、という流れです。

こういったプラン設計、管理の中心となるのが、居宅介護支援事業所のケアマネジャーです。

ポイントとなるのは、そのプランは、利用者または家族の同意を得てからでなければ、
介護報酬の請求ができないということですね。

医療は、緊急性なども考慮してのことと思いますが、プランがなくても保険請求は可能です。
介護のように、プランを立てた上での介護サービスの提供といった点は大きな違いと言えます。

3、介護報酬の加算・届け出

体制加算や実施加算があります。
これらは、「介護給付費算定に関わる体制等状況」によって届け出ます。
毎月15日以前に出された場合は、翌月から請求可能です。
診療報酬の場合、当該月の1日までに提出できれば、
その月から請求できますので、診療報酬の感覚で行うと失敗しますね。

その他では、減算や計算上における端数処理(1円未満の端数は切り捨て)、
体制等状況届の事後調査は実地指導という形式で行われることが紹介されていました。
診療報酬の場合、細かく複数の届け出書類を準備しなければいけませんが、
介護保険は、そこまで求められていないように感じます。
ただ、それが逆に怖く、最初にチェックが入らないまま、
実地指導で返還金ということが起きかねないので、相当注意が必要と感じます。

次に、前述の通り、地域区分というものもあります。
地域には、1級から7級まであり、サービス内容によって上乗せ割合が異なります。

食費や居住費といったコストは、全額自己負担となりますが、
低所得者の負担が増えないように、負担限度額の設定があります。

その他、生活保護の請求、日割りの考え方も紹介されていました。

4、介護報酬の請求

診療報酬は、その都度請求・支払いですが、
介護報酬は、月額包括報酬になる点が特徴です。
日々の業務はサービス提供が中心で、請求業務は一定期間に集中して行う、
というのも、介護報酬制度の特徴ですね。
利用者の立場で考えると、利用料が安定しやすいとも言えますが、
事業者にとっては、サービス内容によっては使い放題的なリスクが生じることもあります。

請求の有効期限も確認しておきます。
保険給付を受ける権利は、「2年」経過したときに時効によって消滅します。
しかし、過払いや不正請求に対する事項は、「5年」有効ということですので、
この数字を覚えておきたいですね。

その他、領収書の交付(銀行振り込みや口座振替であっても必ず交付)が義務です。
その他の日常生活に要する費用については、実費相当分を踏まえ、価格設定を行い、
その説明と同意を得て、個別請求します。

値引きについては、事業所全体では値引きは認められていますが、
利用者ごとに設定することは、不当値引きに該当し、指導対象や処分の対象になります。

5、介護報酬改定の流れ

自立支援や介護予防、介護職員の処遇改善といったテーマが鍵になっていますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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