【1376】費用から導き出される必要収益額とは?
~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~
1376日。がみチャンネルより、中神がお届けします(^_^)
今日は、「費用から導き出される必要収益とは?」について。
前回、収益と費用と利益の大枠について確認しました。
今回は、費用について考えてみたいと思います。
費用と聞いて、何が思い浮かぶでしょうか?
1つ目です!
1)人件費
病院の費用で、1番大きなものは人件費ですね。
急性期病院なのか、回復期病院なのか、療養型病院なのか、種類によって人件費率の目安は変わります。
急性期といっても何に特化しているかによって、利益構造は大きく変わりますので、50%が絶対ではないです。
各病院で利益が出る分岐点は、どの程度の人件費の時か、確認しておきたい数値です。
前回も申し上げましたように、病院は利益を出さなければ地域に医療を提供し続けることができません。
利益を出すの社会的責任と言えますよね。
かかっている費用(投資)以上の収益を出さなければいけません。
その費用の大半が人件費ですから、人件費の確認は重要です。
人を1人雇うことは、年間500万円の投資といえます。(ざっくり数値です)
20年雇うことを考えれば、1億円の投資といえます。
雇用することによって行う事業は継続可能なものか、事業として成り立つ計画になっているか、その状況をしっかりとフォローすることが大事ですよね。
もちろん医療にはどうしても不採算部門があります。
個別で見れば赤字であっても、地域のためにやらなければいけないこともありますよね。
しかし、赤字を出しても良い理由にはなりません。
人件費という名目の投資に見合った収益が出せるように、生産性高く、持続的に医療を提供できるできるように運営を考えていかなければなりませんよね。
次は、変動費です。
2)材料費、薬剤費
人件費が大きな割を占めていますが、次に大きい項目は変動費である材料費や薬剤費です。
こちらも急性期病院か、回復期病院か、療養型病院かで変わりますが、急性期病院は25%〜30%と言えます。
益に対する材料比率や薬剤比率が高い場合、材料や薬剤の購入価格の交渉の余地はないか、廃棄やロスはないか、適切な使用になっているか、確認するきっかけになりますね。
対策として、価格交渉で材料費を下げることもあると思います。ベンチマークの有効性も言われます。
物品を扱う部署の交渉力は非常に重要です。
薬剤費なら、薬剤科の力もあります。
ただし、相手を一方的に負かしてしまってもダメですよね。
お互いに利益がでなければ、一方が潰れてしまいます・・・。
クレクレ(テイカー)でなく、与える思い(テイカー)の姿勢で歩み寄る努力も必要ですよね。
安定的に医療サービスを提供できるよう1人勝ちにならないような落とし所を考えたい、と思います。
3)その他費用、そして予算
水道光熱費、委託費、建物を建てた際の減価償却費、消耗品費、研修教育費、利息の支払いなど、様々な経費が発生します。
それらの費用を加えた全体の費用が年間でどれくらい発生するか、という金額から、年間で必要な収益額が見えてきます。
費用から必要な収益を考え、予算計画に落とし込み、運営していく。
予算実績管理の考え方で、一つ一つ根拠のある金額を出して経営をしていきたいですね。
以上です。では、また明日(^-^)v
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)