【理論と実践】デザイン経営とは、価値観・意思を示すこと

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令和5年1月10日　病院経営の理論と実践　1703号

■デザイン経営とは、価値観・意思を示すこと

中神勇輝（なかがみゆうき）
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おはようございます。中神です。

最近は、中小企業白書を通して、医療・介護業界を知る、という進め方をしています。

今日は、デザイン経営について。
なんか格好いいです！

●デザイン経営とは

「デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営」。

デザインには、ブランド構築に資するデザインとイノベーションに資するデザインの二つがある。
デザインには、企業が大切にしている価値や意志を表現する営み、
イノベーションには、顧客の潜在ニーズを基に事業を構想する営みとして捉えられている。

とあります。

昨日、取り上げたブランドに大きく関係する内容ですね。

病院でも、大切にしている価値や意志を文字にするところは多いです。
ただ、分かりやすく伝えられるように明確にデザインに落とし込んでいるところは少ないでしょう。

ただ、デザインが、イノベーションに、どのような影響を与えるのか？
革新的な製品・サービスを作っていく！ということか、ちょっと分かりづらいので、
もう少し学びが必要と感じる内容です。

●デザイン経営の認知状況及び取組状況

・デザイン経営に取り組んでいる企業の割合は 12%にとどまっている。
また、デザイン経営について「元々知っている」と回答した企業の割合も 14%。
デザイン経営の認知度は一部にとどまっている様子がうかがえる。

・既に取り組んでいる企業
デザイン経営の取組状況（従業員規模別）や、今後取り組むことを検討している企業の割合は、
従業員規模によって大きな差はない。
「経営者がデザイン責任者」と回答している企業の割合が最も高く（63％）、
デザイン経営の取組においては、経営者による関与が重要。

とあります。

デザイン経営の認知度は低いですね。
病院勤めだから、尚更かもしれませんが。
あと、経営者が中心となって取り組むことが重要とあります。
どんなことでもトップの意思が大事、ということを感じます。
ただ、病院の院長は、診療もして、経営もしますから、アレもコレもできません。
様々な取り組みについて、経営層に情報を提供できる体制が必要でしょう。

●デザイン経営の効果

・デザイン経営に取り組むことよる効果は、
「企業のブランド構築やブランド力向上」（69％）
「魅力ある商品・サービス・事業の創出」（53％）
「従業員の意欲や自社への愛着心の向上」（52％）
などがある。

また、新たな商品などの創出によるイノベーション、
従業員の意欲向上といったインターナル・ブランディングが見込める。

・デザイン経営に取り組み、定着している企業において、
ブランド力の向上、新たな商品・サービスの開発、
そして、取引価格の維持・引き上げ（23％）に寄与しているとの効果を実感している。

・デザイン経営ハンドブック（デザイン宣言）のポイントは、
「意志と情熱を持つ」
「歴史や強みを棚卸しする」
「未来を妄想する」といった「企業の人格形成」に関連する要素を設けた点にある。

企業がどのような歴史を持ち、いま何に注力し、これから先どんな未来を目指すのか。
成功事例を見ると、その企業の「人格」を明確にするところに、
デザインの考え方や手法が生かされ、効果を発揮しているケースが少なくない。

とあります。

効果はありそうですね。

対患者さん、対職員に、自分たちの大切にしている価値を伝えることは極めて重要です。
病院は、商品を売っている訳ではありません。
直接、取引価格の維持・引き上げは関係ないように感じます。

ただ、そのような直接的なメリットに関係なく、
「意志と情熱を持つ」「歴史や強みを棚卸しする」「未来を妄想する」といったことは大事です。

病院が、地域に対して、
・どのような思いで医療を提供してきたのか
・どのような歴史を歩んできたのか
・どのような未来を地域と共創しようとしているのか
意思を示し、行動することがお互いにとって良い、と言えますね。

以上です。では、また明日(^-^)v