【理論と実践】エネルギー価格の高騰と病院給食、全世帯型社会保障構築会議

2023年1月16日

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令和5年1月15日 病院経営の理論と実践 1708号

■エネルギー価格の高騰と病院給食、全世代型社会保障構築会議

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

今日は、日曜日です。医療系の内容にフォーカスします。

「エネルギー価格の高騰と病院給食、全世代型社会保障構築会議」について。

(月刊医療経営士 2023/1の学びシェア)

今回も印象的な内容が多かったです。詳しく知りたい方は、本紙をご購入ください。

●エネルギー価格の高騰と病院給食

・問い

給食の提供コストが上がってきています。
診療報酬の特性上、コスト増を価格転嫁できませんので、どこで補えるでしょうか?

補助金によってまかなうことが、現在の緊急的な対応策として考えられますが、
それだけでは、さすがに一時的で心許ないですよね。

・食事療養費の変遷

以前は、請求できる金額は、1日1920円でした。
2006年、一食あたり640円に変更となりました。
その後2014年には消費税が5%から8%となり、2019年には、8%から10%の増税がありました。

にもかかわらず、一食あたりの金額は変わらない、です。
コストが収入に反映されていないので、給食事業が赤字になるのは当然です。

病院給食は、食事数に関わらず、人件費などの固定費が発生します。
それは、他の飲食店業界も同じです。
しかし、少なからずコスト増を価格に転嫁できますが、医療機関は、そうはいきません。
だからこそ、1日あたりの報酬として支払われるようなことが必要、という理屈が出るのも分かりますね。

・調理済み商品のメリット

食品ロスの削減。
SDGsの実現を目指す、という点で、ブランディングの一環にもなる、という内容があり、なるほど、という感じです。

・人材確保の課題

朝4時から朝食を作る仕事に就きたいと思うでしょうか?

委託給食会社における人材の確保定着が難しくなっていることをよく聞きます。
その大きな理由が、勤務時間です。よほど給料が恵まれていれば良いですが、
別の職場で働きたい、という人も出てくるでしょう。

・対応例

地域の医療機関や介護施設、事業者共同で運営するセントラルキッチンの運用も考えられます。
これにより、地域では食形態の統一や食事を通じた連携が取れます。
その人の状態に応じて食事の形態は変わります。
地域で共有することのメリットは大きいです。

・AIによる効率化

一例として、AIの「自動献立作成」が紹介されていました。
どの程度の精度か?
ある程度、フォーマットが決まっているのであれば、AIに頼らなくても良いのか?
専門外なので正直よく分かりませんが、費用対効果を検証の上、検討の余地はある、と思いますね。

・委託とコスト、給食に求めるもの

委託会社は地方では運営が困難ということで撤退もある、とのことです。

「服薬」よりも「食事」を通じて患者さんが良くなることがあります。
コストという視点で給食を捉えがちですが、
自分の病院の給食で何を重視するのか、
院内でコンセンサスを得ながら給食のあり方を模索する重要性が書かれていました。

(一部、言葉の確認です)

「クックサーブ」とは、加熱等の調理後すぐに提供する調理システムのことです。
「クックチル」とは、一旦冷却して保存しておくことです。
押さえておきましょう。

●全世代型社会保障構築会議の紹介

・論点整理

「かかりつけ医制度の整備」や「医療法人改革」が足元の課題、とのことです。

1、医療保険制度

出産育児一時金の増額
後期高齢者医療制度の保険料負担のあり方の見直し
被用者保険者間の格差是正

2、医療提供体制

サービス提供体制の改革に向けた主な課題
かかりつけ医機能が発揮される制度整備

3、介護

地域包括ケアシステムの深化推進
医療・介護現場の生産性向上と働く環境の改善
介護保険の持続可能性の確保

4、医療介護分野におけるDX

医療 介護分野の関連データの積極的な利活用推進
医療DXの推進

などが項目としてあります。
まずは、これらの項目を知り、アンテナを高きめておきたいですね。

・かかりつけ医

身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能をベースに検討すべき。

日常的な医学管理や健康管理の相談
休日、夜間の対応
他の医療機関への紹介・逆紹介
在宅医療
介護施設との連携

が挙げられています。

その通り、という内容ですね。

そして、大事なのは、これらを具体的にどうするのか、という点です。
色々な事例を通して、自分の地域ならどうか?を考える必要があります。
結厚労省もそういった事例を集めていますし、
他の病院とのコミュニティーの輪を広げて情報を集めたいですよね。

また、これらは1つの医療機関で担当するのではなく、
複数の医療機関が緊密に連携して実施することが望ましいし、
地域医療連携推進法人の枠組みを活用することも言及されていました。

・医療法人改革の推進

医療法人の経営情報とデータベース構築について説明されています。

原則として、すべての医療法人が対象です。

病院及び診療所の収益および費用、職種別の給与、その人数等の情報を収集します。
必要な法制上の措置が前提となるものの、23年度の可能な範囲で早期に実施されます。
施行後に決算期を迎える医療法人から行われます。

あっという間に、その時期が来そうですね。
これも準備が必要です。

皆さんの医療機関は、いかがでしょうか?
確認しておきたい項目でした。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。