【理論と実践】医療経営士1級試験対策(医療資源投入量の多寡による病床機能を区分するという考え方)
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令和5年8月17日 病院経営の理論と実践 1922号
◾️医療資源投入量の多寡による病床機能を区分するという考え方
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日の内容は、
「 医療資源投入量の多寡による病床機能を区分するという考え方」
について。
さて、試験まで、17日(今日を入れて)です。
知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。
今回は、「この国の医療のかたち 医療政策の動向と課題(尾形祐也先生 著)」より、学びをシェアします。
こちらの書籍は各項目ごとに問題提起が書かれています。
試験対策も踏まえ、所感を述べていきます。
【地域医療構想と、急性期の定義】
医療関係者で、地域医療構想という言葉は有名な言葉です。
日本全体の病床を急性期、回復期、慢性期の3つに分けて、
人口動態に合わせて、日本全体で適切な病床数に最適化する、というものです。
このテーマを論じるにあたり、そもそもの話をします。
【日本の急性期とは】
日本の急性期の入院期間は、2019年時点で、16日です。
他の国と比べると長いです。
医療資源投入量の多さで見ると、3日ぐらいまで多く投入され、1週間もすれば落ち着いてくる、と言われます。
なので、本当の意味での急性期というのは、1週間程度とも言えます。
2025年ビジョン(医療介護提供体制の長期ビジョン)では、
一般急性期病床の平均在院日数は9日と言われていました。
最初にこれ見たときには無理に決まってる!と思いましたが、
このような数値を見ると、あながちおかしい数字でもない、とも言えます。
【急性期病床の区分をどう考えるか】
では、急性期という区分がをどう捉えるか?という問いについて考えてみます。
医療資源投入量の視点で見ると、
治療が落ち着いた時点、つまり9日間を目安に回復期の病床の移動する、という考え方に変わります。
このことについて、 3つの視点で考えてみます。
まず、病院の視点です。
病院は、現行の制度の中で人を配置しています。
なので、急激に、資源投入量に合わせた配置に変更することは難しいでしょう。
急性期、回復期、という区分について、急性期の終了後(9日間(で回復期に移行するには、
回復期の病床をさらに増やす必要があります。
実際、そのように進めようとしていますが、民間病院が多く、自由裁量による経営が認められている中、
急性期の方が入院基本料が高いので、よほどの強制力を働かせてやらなければ変革は起きません。
長期視点での改革(強制力と国の支援)が必要でしょう。
次に、 患者の視点です。
機能分化と病病連携・施設との連携が重要!ということが言われて久しいです。
ただ、患者の立場からすると、同じ病院で入院している方が楽です。
違う病院に行って、連動した治療を行なってくれるか不安でしょう。
ということで、機能分化が必要であることの患者への啓蒙や、
病院間・施設間での情報共有してもらえるような仕組み、関係性づくりが必要です。
病院完結型から地域完結型への移行の取り組みが求められますね。
最後に、国の視点です。
民間病院が多い中、診療報酬による誘導だけでは難しく、
医療機関・医療資源の集約化について、
ある程度、政策的な強制力(+支援)も働かせることも考慮しなければなりません。
【まとめ】
キーワードは、機能分化、機能の集約化、情報共有の3つだと思います。
地域にとって、自院がどのような機能を持つべきか、何に取り組むべきか、
個人だけでなく、地域と一緒に考えていく時代が到来していると思いますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。