【968】キャッシュへの回帰と未来への価値志向(書籍:「会計の世界史」所感)

皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)

今回で、968回目です☆

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では、本日の内容です。

■本日の内容は、以下の本から

田中靖浩さんの「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語」(P 167~終わり)

です。(1日1読書941日め)

読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)

■目標、狙い

ゴール

会計の苦手意識を克服。
そして、(単純に)楽しむ!

■個人的!要約

短期的な売り上げ・利益重視の古い常識を捨てて、
未来のキャッシュフローを増やす努力をしよう。

■心に残った内容、感想など

ポイント

昨日の続きです。

1、機能の内容の振り返りと発生主義・黒字倒産

商圏の拡大、産業の発展により、

・banco(銀行)の発展
・紙の出現と帳簿の発展
・固定資産の巨大化による減価償却の出現

現金主義会計から、発生主義会計と変わっていった、という話でした。

この発生主義会計から、「黒字倒産」というものが出てくる訳ですね。
発生主義では、利益があるのに、肝心のキャッシュ(現金)がない、という状況。

前回の内容はこちら、

【967】会計の歴史と根底にある人間の営み(書籍:「会計の世界史」所感)

2、会計と監査と投資家保護

会計とは、説明をする機能。

監査とは、説明を聞く機能。
正しい決算が行われたかどうか、ということは、出資をする側からすると、とても大事です。

19世紀末になると、経営分析ブームがやってきます。
鉄道の発展により、長期的な投資が行われる中、特に安全性が注目される時代です。

その中、社会的に認められる、会計ルールが必要になってきます。
また、ディスクローズといって、情報公開も行われるようになります。

もともと自分を守るための会計、他人(実際の出資者)のための会計でしたが、
広い意味での他人(出資前、投資家保護)のため、
という新しい考え方が出てきます。

より正しく会計処理を行うことが大事になっていく中で、
内部統制の体制をつくることも重要なことになっていきます。

500年の歴史会計の歴史は自分のためから、他人(出資者等)のため、
そして、見知らぬ他人のために、と移っていきます。

3、B/Sの右側のリスク対応

B/Sの右側のリスクをいかに回避するか。

昔のイタリアであれば盗賊のリスク、
昔のイギリスであれば巨額設備のリスク、
カール・ベンツの投資の回収リスク、
など、その時代に応じて、リスクがありますが、これらのリスクをいかに回避するか、
会計とは、その歴史とも言えるのではないか、と味わっています。

4、原価と時価、利益主義からキャッシュへの回帰

原価(製造業)と、時価(金融業)の戦い。

利益とは、どの段階のことを指すでしょうか。

利益を、「税金、利息、税金減価償却、償却費、これらが引かれる前の金額」とする
という考え方が出てきます。

それが、EBITDA

というのも、利息や税金、減価償却費等は、国によって異なるものであり、公平ではありません。
世界規模で考えるとき、この違いが問題になります。

ある意味、現金ベースで考えるキャッシュへの回帰が起きてきた、といえます。

時は進みます。

アメリカの鉄道会社では、
レールの標準化による物理的な連結や買収による財務的な連結ということが出てきます。

その他、カーネギーが、「分業」と「作業の標準化」を行うことによって、
大量生産の時代に入っていきます。

大量生産により、減価償却費の扱いもまた変わってきます。
大量に作れば作るほど、原価が安くなる、ということですね。

興味深い観点だと思います。

スタンフォード、カーネギー、ロックフェラーは、
資本の論理を生かして、成長発展していきました。

資本の論理とは、
「B/Sの右下を握り、BSの左側を増やしていく」というものです。

5、求められる会計の中身の変化

過剰設備と在庫による経営の圧迫が起きます。

そこで知りたいのは、お勉強的な内容ではなく、
「どうやって組織を動かすのか、儲かるのか」という実利的なことになっていきます。

管理会計、経営会計という視点ですね。

これが、
「自分のための会計」から「他人のための会計」となり、「自分のための会計」に戻る
道筋と言えます。

6、最後の章は、価値革命

企業価値に重きを置く時代(現代)に入っていきます。

数値化できない隠れた資産(ノウハウ、ネットワーク、人材などの大切さ)の存在。

また、原価を仮に決めたとしても、時代の流れで、価値は変わっていきますが、
その原価をどのように捉えるか、これから、どのようにその会社が持つ資産が評価されていくのか、
過去の歴史から学ぶことが多そうです。

7、終わりに

この一言が、この本の結論だと感じています。

「短期的な売り上げ・利益重視の古い常識を捨てて、
未来のキャッシュフローを増やす努力をしよう。」

価値を生み出す、経営をしていきたいですね(^_^)

■ベイビーステップ

ベイビーステップ

会計は(と言いつつも会計に限らず)、ただの数字ではなく、
その根底にある歴史(人間の感情、営み)に思いを馳せる。

以上です(^_^)v

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