【967】会計の歴史と根底にある人間の営み(書籍:「会計の世界史」所感)

皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)

今回で、967回目です☆

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

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では、本日の内容です。

■本日の内容は、以下の本から

田中靖浩さんの「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語」(〜P 166)

です。(1日1読書940日め)

読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)

■目標、狙い

ゴール

 

会計の苦手意識を克服。
そして、(単純に)楽しむ!

■個人的!要約

その時代その時代で、新たな事業、新たな商圏を求めて、人間の営みは
拡大していきます。

その事業規模の拡大に伴い、変わってきたことが、3つあります。

・banco(銀行)の発展
・紙の出現と帳簿の発展
・固定資産の巨大化による減価償却の出現

と味わいました。詳しくは、ぜひ、本書をご一読ください。

■心に残った内容、感想など

ポイント

1、まず、中身に入るために・・・。

今回、紹介する本は、絵画の歴史とともに会計の歴史を学ぶことができる、
とても読みやすい、面白い内容でした。

ややボリュームがあり、時間をかける必要がありますが、
会計を学んでみたい、という人は一読の価値あり!と思います。
特に世界史好きには、たまらないです。

では、中身です。

2、会計の発達

中世ヨーロッパの大航海時代から、紆余曲折があって、会計が発達してきたことが分かります。

航海でのリスク、盗賊の存在、それらを避けるために、
現金ではなく、為替手形取引をまとめる、銀行が出てきます。

為替手形は何のためにあるのだろう、という根本を見つけた気がします。

3、銀行の役割

何かを事業を起こそうとした時、新しく商売をしようとした時、
当たり前ですが、資金が必要です。

お金を借りたい商人と、お金を貸したい銀行。

お金を借りる時には、利息、というものが出てくるはずですが、
その時代には、無かった(正式には認められていなかった)そうです。

なぜか、というと、キリスト教の規律(利息を禁ずる、という思想)があったから。

そこで、キリスト教徒ではない、ユダヤ人が、その役を担いつつ、
そのため、迫害もされた、という、近代の歴史につながるものがあった、と思いました。

4、紙の大事さと簿記の発展

商売が盛んになるゆえに、規模が拡大するほどに、記録が大事。
口約束では、管理しようがありません。
それが、帳簿の記録、簿記となっていきます。

その会計の発展に大きな影響を与えたのが、紙ですね。
紙がなければ、記録しようがありませんから。

銀行にとって大事な「与信管理」(返済能力の判断、回収不能を避ける)。
その管理をするのにも、簿記の存在は欠かせないです。

上述のように、帳簿のメリットは、
対外的な証拠となること、儲けの分配となること。

余談になるかもしれませんが、数字についても歴史があります。
ローマ数字と、アラビア数字がある中、
インドの数字の概念である「0」が存在するアラビア数字の方が有効、ということで、
アラビア数字が取り扱われるようになっていきます。
数字にも歴史あり、ですね。

5、アムステルダムの市場

市場の終わり値を公開する、ということをしていたようです。

商人にとって、価格という情報は非常に大事で、
これ以上知りたいことはない、という情報だったようです。

そういった情報を提供することによって、
その「場所の価値」を高めることができた、という視点は、非常に興味深いです。

6、東インド会社(VOC)の興亡

株主に対し、儲けをキチンと計算、出資比率で配分を行い、発展していきましたが、
孫に引き継がれ、破綻してました。

破綻の主な要因は、
ずさんな経理(本部から支社の管理不足)、
足りない経営情報(多すぎる配当)、
スタッフのモラル低下(盗難)。

どれだけ、先代が丁寧に作り上げたとして、
それを、どのように引き継ぐか、再現性のある人材や仕組みを作り上げるか
ということがとても大事であることを学びます。

それを構築できなければ、一代で終わってしまう、ということですよね。
歴史は繰り返します。

7、産業革命を起こしたイギリスと減価償却費

石炭の活用による蒸気機関の発達により、イギリスでは、産業革命が起きます。

その中、既得権益を持つ運河会社が、新たな可能性のある鉄道会社に対する妨害が起きた、
と記されていました。

しかし、主は、鉄道会社に移っていきます。
技術革命により、顧客に変化が起きる。歴史を繰り返す、と感じますね。

そして、鉄道会社が発展していったのですが、そこで出てくるのが、大きな固定資産です。
レール、枕木、車両等、固定資産が大きくなる中で、
それらの費用を、どのように扱うか、が問題になります。

長期型の考え方が必要です。
短期で、また、毎年、儲けを出すのは簡単ではなく、特に投資の初年度は、確実にマイナスになります。
となると、いつの時期に株主であったかによって、不公平になることが有り得ます。

そこで、出てくる新しいルールが減価償却。

そこで、固定資産を減価償却という形で、「費用の標準化」して、利益を計算する、
という現代の会計につながっていきます。

「儲け」の計算は、収支計算を離れ、利益計算(発生主義)に変わっていったのです。

■ベイビーステップ

ベイビーステップ

会計と、その実践は、
正しく計算し、正しく配当、正しいモラル教育をする。

本日は、以上です。

厚めの本でしたので、残りは明日に続きます。

余談ですが、本の内容で、
「フィレンツェ商人の理想は、たくさん稼いできれいに使う」という内容がありました。
稼いだお金を何に使うか、考えたいものです。

では、また明日(^_^)v