【1274】固定費と変動費と損益分岐点売上高

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今日は、「損益分岐点売上高」という言葉と、病院における収益・利益について考えてみたいと思います。

 

 

企業であれば、これだけは必要!という売上高があります。
もちろん病院にも。

その必要な売り上げ高を考えるときの参考になるのが、損益分岐点売上高、という考え方です。

数式は、以下の通りです。

■損益分岐点売上高=固定費/(1—変動比率)

ここで面白いのは、固定費や変動費の割合によって、損益分岐点売上高が大きく変わることです。

病院でも、急性期か、リハビリか、慢性期かで、損益分岐点売上高は大きく変わります。
固定費とは、大きなものでいえば、人件費ですね。
それ以外の毎月の諸経費も固定費と言えるでしょう。

材料費や薬剤費は変動費になりやすいものです。

自院の固定費を算出し、変動費率を出すことで、自院に必要な最低限の売上高の目安が分かります。
そのようにして算出した損益分岐点売上高に対して、実際の売り上げ高が、どの程度あるのかを
算出できるのが以下の計算方法です。

■損益分岐点比率=損益分岐点売上高/実際の売上高 × 100

例えば、1億円が損益分岐点売上高だとして、1億5千万円の売上高であれば、
損益分岐点比率は、66.7%になります。
つまり、100%を切っている方が安全、ということですね。

そして、その売り上げ高が果たして余裕があるの稼働を示すのが、以下のものです。

■安全余裕率=(実際の売上高ー損益分岐点売上高)/実際の売上高 ×100

1億5千万円-1億円/1億5千万円 ×100=33.3%になります。

次に、固定費の多少が、利益に与える影響についての考え方です。

■営業レバレッジ=限界利益/営業利益(倍)

限界利益とは、売上高から、変動費だけを引いた利益です。
つまり固定費を入れない金額。

営業利益は、固定費も入れたものです。

・売上高100万円。そのうち固定費が80万円。変動費が10万円の場合、

限界利益 90万円 / 営業利益 10万円 9倍

・売上高100万円。そのうち固定費が40万円。変動費が50万円の場合、

限界利益 50万円 / 営業利益 10万円 5倍

これは、固定費が大きければ大きいほど、売上高が伸びたときに、利益も伸びる。
テコの原理のように増える、ということです。

固定費が小さい、ということは、つまり変動費の影響が大きいですから、
いくら売上高が増えたところで、費用も比例して増えますから、利益も伸びにくい、ということですね。

病院は、どちらかというと、固定費(建物、設備、人員等)が大きいですから、
しっかり売り上げを伸ばすことで、利益にもつながりますね。

■その他、大事なトピック

・目標利益達成売上高=(固定費+目標利益)/(1ー変動比率)
・損益分岐点売上高は、営業利益ベースか、経常利益ベースか
・固変分解の方法
・目標利益達成に必要な販売数量(単価と目標収益)

などもありますが、今回はここまで。

以上です。では、また明日(^-^)v

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