【1389】看護補助者の配置の趣旨と、その経営への影響

~病院職員が、安心して、仕事の生産性高く、充実して働ける未来の一助へ~

1389日目。医療経営の森より、中神がお届けします(^_^)

今日のテーマは「看護補助者の配置の趣旨と、その経営への影響」。

結論は、「働き方改革、医療従事者の負担を軽減することが求められている」。

いつも通り、前振りから(^-^)

経営資源といえば、人・物・金・情報です。その経営の大きな要素になるのが収益です。
収益は、単価と患者数の掛け算です。

その単価と診療報酬は、切っても切り離せない関係があります。
診療報酬というルールの中で、医療行為1つ1つに公定価格(単価)が決まっているからです。
大変重要な要素です。

4月は、その診療報酬の改定がありますので、改定に関連した内容について触れていきます。

今日は、入院単価という括りで「看護補助体制充実加算」という新設の点数について考えてみたいと思います。

◆看護補助者とは?

「看護補助体制充実加算」は、看護補助者の配置に関連した点数です。
もともと看護補助者の配置は、「看護補助者配置加算」という名前で、診療報酬でも高く評価されています。
その点数の変更ではなく、新しく加わる点数が、今回話題にする点数です。

◆新しい点数「看護補助体制充実加算」と、経営上のインパクトは?

急性期病床における「看護補助体制充実加算」は、1日につき、5点(50円)ということで、そこまで大きな影響を与える点数では無いです。
しかし、同じような要件ですが、地域包括ケア病棟入院料の入院された場合の点数は高く設定されています。
1日につき165点です。(さらに詳しい要件は3月上旬)

【地域包括ケア病棟入院料】

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして
地方厚生局長等に届け出た病棟又は病室に入院している患者については、
当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき
所定点数に加算する。

イ 看護補助者配置加算 160点
ロ 看護補助体制充実加算 165点(新設)

ですね。その算定要件の追加項目は、以下の通りです。

「看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する十分な体制が整備されていること。」

とあります。1日につき165点(1650円)ですので、月間で1000人入院される病棟であれば、165万円の収益になります。
もちろん、それだけ人員を配置する必要がありますので、新規で配置するとなると、それなりの人件費はかかります。
しかし、元々、看護師の負担軽減やタスクシフトといった観点で取り組んでいる病院であれば、大きな変化を加えることなく、増収になるインパクトのある診療報酬の点数です。

◆細かい用件と、そもそもの趣旨は?

ただ、気になるのは「看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する十分な体制が整備されていること」の詳しい内容ですね。

これだけ高い点数ですので、看護職員の負担軽減や処遇改善の取り組みについて、どこまでの整備を求めているのか、ということが気になります。
3月の上旬に細かい要件が出てきますので、それを踏まえて、届け出(算定できるように準備する)を検討することになります。
要チェックです。

看護補助者の配置のもともとの趣旨は、現場の負担軽減です。
夜間における負担軽減の取り組みといったことも診療報酬では評価されています。
そこに、処遇改善というキーワードが入ってきています。
これが、救急を多く行なっている処遇改善のことを言っているのか、それ以外なのか、非常に興味深い部分です。

◆結論です。

なんにしても、より働きやすい環境を作ろう、という狙いに変わりありません。
その趣旨に見合った運営ができていますか、という問いかけ、メッセージでもあります。
そういった職場に人が集まり、また患者さんも集まって来ると思います。

職員の幸せ、患者さんの幸せアップに取り組んでいく機会にしたい、と思います。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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◇病院経営の見える化について公開講座(動画)の講師をする機会を頂きました。感謝(^_^)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)