【1390】短期滞在手術等基本料の対象手術拡大の狙いは?
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1390日目。医療経営の森より、中神がお届けします(^_^)
今日のテーマは「短期滞在手術等基本料の対象手術拡大」。
結論は、「在院日数の短縮、入院から日帰りへの対応」ですね。
いつも通り、前振りから(^-^)
経営資源といえば、人・物・金・情報です。その経営の大きな要素になるのが収益です。
収益は、単価と患者数の掛け算です。
その単価と診療報酬は、切っても切り離せない関係があります。
診療報酬というルールの中で、医療行為1つ1つに公定価格(単価)が決まっているからです。
大変重要な要素です。
4月は、その診療報酬の改定がありますので、改定に関連した内容について触れていきます。
今日は、外来・入院単価共通との括りで、短期滞在手術等基本料の対象手術拡大について考えてみます。
◆医療政策の方向性
外来から入院、入院は在院日数の短縮化が徐々に進んでいます。
医療費削減や、持続的な社会保障の構築という大目的がある中、2022年も診療報酬改定が行われます。
その一つの流れを感じる項目が、「短期滞在手術等基本料1」の対象手術の範囲が拡大します。(以後、短期1)
◆短期滞在手術等基本料1と3とは?
短期1は、日帰り手術が対象の基本料です。
リカバリーベッドや人員配置など、そういった体制を整えている医療機関のみ算定できる点数です。
そして、その短期1の対象範囲が拡大すると同時に、短期滞在手術等基本料3の対象手術の範囲も広がりました。(以後、短期3)
短期3は、入院の点数です。
DPCと異なり、短期3の場合、基本的には対象手術を行った場合、どれだけ長く入院しても同じ金額という包括的な点数です。
(食事代は別です。)
◆どのような影響があるか?
この改定は、病院によって反応が分かれるところ、と思います。
もともと日帰り手術を中心に行っている医療機関はむしろプラス改定です。
短期1の基本料を算定できる対象手術が増えることになりますので・・・。
関係する書類の整備やベッドの使い方は調整が必要です。
短期3は、既存の手術で点数自体が下がってしまう点数がありましたので、減収の病院も多いと思います。
(例えば、白内障)
上記の通り、既存の手術自体点数が下がるのは困ります。
さらに手術範囲が拡大されて困るのは、該当する手術の入院で、長めの入院期間を設定していた場合ですね。
もともと在院日数を短めで運用していた医療機関にとっては、対象範囲が増えたとしても大きな問題にならないかもしれません。
上記から言えることは何でしょうか?
◆結論
「日帰り手術に移行しなさい」、または「在院日数が短くしなさい」という国からのメッセージを感じます。
病院から在宅、医療費の適正化が進められていく中で、診療提供体制を考えていかなければいけない、と改めて思いますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)