【理論と実践】平均在院日数とクリニカルパス
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令和4年11月7日 病院経営の理論と実践 1639号
■平均在院日数とクリニカルパス
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
昨日は、医療経営士1級の受験に向けて対策を練っていました。
やみくもに勉強しても成果は出にくいので、計画性が大事です。
さて、本題です。
昨日、平均在院日数について触れました。
今日は、クリニカルパスとは何か、基本的な内容から確認してみましょう。
一言で言うと、
「各疾患の標準的な治療の多職種の治療工程表」です。
クリニカルパスには、医療の標準化と、多職種連携を促進する効果があります。
そのクリニカルパスのメリットは何か?
それは、標準とのバリアンス(ズレ)に気づくことができる、ですね。
思ったりも良いズレ(プラスのズレ)なら喜ばしいことですが、負のバリアンス(ズレ)は、問題です。
いつも標準的な治療とおりに進むか、というとそうではありません。
標準があるからこそ、標準から外れた、ということに気づけますし、課題に対応することができますよね。
クリニカルパスは、治療の工程表とも言われますが、
その工程表とズレる、バリアンスが起きるのは、どういう時か、3つの視点から考えてみましょう。
1つ目は、患者の視点です。
患者自身の合併症や、転倒や転落など、患者の状況によって起きる遅れのズレです。
2つ目は、医療者の視点です。
スタッフによる単純な検査のオーダー漏れによる治療の遅れや、
他の患者の手術時間が伸びてしまって、予定通り手術に入れなかったり、など。
こういったことはは、医療機関側の遅れとして起きます。
3つ目は、社会的要因です。
患者側や医療者側に大きな過失がなかったとしても、治療の経過が想定通りにいったとしても、
退院日に、受け入れる側の準備が整っていないこともあります。
在宅の家族のサポートが困難なこと、退院後の施設が受け入れられないこと、などですね。
そういった社会的要因によるバリアンス(ズレ)が生じます。
この3つの視点から、クリニカルパス通りにいくか、退院まで問題なく進むか、
疾患別の平均在院日数と比べて、大きな誤差はないか、短縮できないか、という視点を持つことができます。
こういった標準的な治療工程表があるからこそ、
多職種で連携もできますし、ズレにも気づくことができる。
そういったメリットが「患者さんのベネフィット(特になる、役に立つ)」につながっていきますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
テーマについて、ご要望あれば、コメントをどうぞ。
この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝と申します。今年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ピアノとドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。
(記載内容は、所属する医療機関の発言でなく個人の意見です)