【理論と実践】地域医療構想 病床機能の転換が迫られる中、何を大事にするべきか?

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令和5年1月28日 病院経営の理論と実践 1721号

■地域医療構想 病床機能の転換が迫られる中、何を大事にするべきか?

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

最近のテーマ選びは、平日は中小企業診断士関係、土日は医療・介護経営関係にしています。

今日は、医療・介護ということで、

「地域医療構想」について。

その制度の背景にあるものは、団塊の世代が75歳になる2025年が始まりです。

医療や介護の需要が増加します。
病床を増やすことで対応するのか?

いや、違います。

病床を減らし、機能を分化し、最適化することで、需要を吸収する、という政策です。

進捗状況は以下の通りです。

2015年の報告で、125万床あった病床が、
2021年の報告で、121万床になった。
このまま進めば、2025年には、120万床。
しかし、目標数は、119万床。

ということで、未到達です。

しかも、中身を見ると、まだまだ感が増します。

高度急性期、急性期、回復期、慢性期のうち、
高度急性期は、2.9万床、必要数より既存床数が過剰で、
急性期は、13.5万床、過剰です。

急性期関連の病床が明らかに過剰です。
回復期への移行を求められていることが明白です。

需要(ベッド)が供給(入院)を生み出す、ということも言われます。

その状況を表す資料として、紹介されていたのが、
財政制度審議会(財政制度等分科会資料20181030)です。

都道府県ごとの10万人あたり病床数と、一人あたり入院医療費の相関が示されています。

病床数が多い都道府県の入院医療費が高くなっています。

ということで、「自院が地域で何を求められているのか」を改めて考えるきっかけになりました。

私が所属している病院も、99床あった急性期病床は、現在、40床です。
この病床編成を、今後、どのようにしていくのか?
病院だけで機能を考えず、地域と、どのように連携してやっていくのか?

選択肢も色々です。
地域医療連携推進法人、入院が難しければ在宅診療の強化、介護施設等の密なやり取り、
挙げればキリがありませんが、その時に、大事なことは何でしょうか?

それは、地域の需要・ニーズをよりクリアにして、戦略を考えることでしょう。
理念の実現のために、地域のために、何をすることが良いのか?
考えながら働けているか、というと、反省することも多いです。

やはり、自分たちのやりたいことだけでは片手落ちです。
地域の人たちが求めているものは何か?
表面的なものだけでなく、潜在的なものにもフォーカスしたいですよね。

地域の医療介護資源はどの程度か、その需要がどうなるか、より詳しく見る必要があります。
そのために、どんな外部資源を活用し、内部資源を整備するか、が求められます。
病床数が少ないのであれば、施設や在宅で対応することも必要でしょう。
病床数が過剰であれば、病床削減や機能転換が求められます。

住民の声を聞いたり、外部環境を調べたりすることは大事です。
色々行動しながら分かるものもあります。
どちらにしても、顧客・患者基点ありきで考え、喜ばれるサービスを提供していきたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。