【理論と実践】中長期計画の策定と年度事業計画への展開

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令和5年2月5日 病院経営の理論と実践 1729号

■中長期計画の策定と年度事業計画への展開

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜最近のブログのテーマ〜

・平日は、中小企業診断士関係
・土日は、医療・介護経営関係

今日は日曜日ですので、医療・介護関係です。

〜今日のテーマ〜

「中長期計画の策定と年度事業計画への展開」

今まさに検討している病院が多いであろう、ピッタリの話題、ですね。

病院羅針盤の2月1日号の特集で、とても興味深い内容です。

さて、国は多くの計画を立てています。

・医療計画
・医療費適正化計画
・地域医療構想
・外来医療計画
・高額医療機器の共同利用計画
・医師の働き方改革

など。

これらの計画は、複数年の継続を前提にしています。
その計画に合わせて、病院も中長期計画を作る必要があります。
一回作ったら見直しをしなくて良い、ということにはならないですよね。
次から次へと出てくる計画を意識し、複合的に考え、更新する必要があります。

1つ目に、「理念や経営方針の大切さ」が言われていますね。

地域医療における自分の病院の立ち位置をイメージができるか?
これがポイントです。

ドラッカーの5つの質問を振り返ります。

・我々の顧客は誰か?
・顧客にとっての我々の価値は何か?
・我々の使命は何か?
・我々にとっての成果はどのように定義するか?
・我々にとっての計画は何か?

上記の視点で考えてみるのも大事ですね。

2つ目に、「理念や経営方針を具体化」することが重要です。

目標設定の考え方として スマートの法則というものがあります。
英語の頭文字をとって、SMARTです。

・具体的で、
・可視化され、
・達成可能なレベルで、
・上位目標や目的達成との関連性があって、
・期限を設定すること、

ですね。

この計画についても、突っ込んでいくと、いろいろな大枠があります。

・収入及び費用計画
・資金計画
・人員計画
・設備計画
・診療提供に伴う計画

など、です。たいていの病院で何らかの計画なり、数値は出していると思います。

特に、コスト削減や増収は、よくある話です。
これらの計画を立てることは、予算管理とも言えます。

これらをさらに、項目別にアクションプランに落とし込んでいくわけなので、大変ですよね。

部門別のアクションプランであれば、
外来や入院、人間ドック、受付医事業務、看護、病棟、外来、薬剤など、たくさんあります。
そんな簡単に作れるものでないことは明らかです。

さらに、これらを月次のスケジュールに落とし込んでいく必要があります。
目標管理活動との絡みですね。

計画を作る際には、アクションプランの調整が大事で、
会議や折衝を通じて策定していく必要がありますが、
なんといっても、コミュニケーションが大事ですね。

計画を見て、「今、何をするか」が一目でわかるタイトルを示すことがポイントです。

3つ目に、「実行の振り返り、フィードバック」です。

計画は立てて終わりではないので、進捗状況の管理が必要ですね。

目標と現状の乖離状況をしっかり確認し、把握していきましょう、という話です。
評価することが大事です。

目標設定の課題・ギャップを洗い出す。
次年度以降、新たな目標を立てるか、現行の目標をどのように修正していくのか?
振り返ることで改善できます。

4つ目に、「事業計画策定のポイント」について。

・病院の収益性と診療提供実関連付けは?
・収益性と医療提供の質の確保は?
・毎年、継続できる体質か?
・事業計画の策定をコントロールできる人材の存在は?
・計画は策定と、その実行が大事であることを理解しているか?
・第3者不在で推進力を維持できるか?

など、振り返ってみたいと思う内容ですね。

あと、別の記事も少し紹介します。

中長期計画で、項目を7つの視点に分けて、
ワーキンググループを作って、具体的に何をするか、決めている事例もありました。

これらに、共通するのは、「診療現場とのリンク」です。
上位概念と、現場の数値を関連付けて言語化できるかが大事です。
そして、それらの進捗を確認するミーティングです。

進捗確認時の分け方が興味深く、

1)計画実施・目標達成
2)計画実施・目標は達成していない
3)計画未実施・目標達成
4)計画未実施・目標も未達成

の4グループに分けています。

それらのグループに分けたことで、

1)新たな目標を立てる
2)目標達成できるような取り組みを考える
3)偶然の目標達成だったのか振り返る
4)計画をそもそも実行するため、何が必要なのかを考える

という次のステップに進むことでができる、と思います。

本当に最後の話題です。

経営における管理は、日常管理と方針管理です。
日々の管理は、日常管理。
方針管理で、構造改革。
その後、日常管理に落とし込んでいく、ということも意識したい内容です。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。